自然農薬

【自然農薬】植物発酵エキスとは?効果と種類

植物エキスとは、植物を発酵させてできたエキスです。

植物エキスを散布することによって病気に強くなったり、生育が促進されたり様々な効果があります。また、その植物や部位によって違った効果が期待できます。

植物発酵エキスは大まかに茎葉エキス、果実エキス、花蕾エキスの3つに分けられます。

散布する作物の生育ステージに合わせてこの3つの植物発酵エキスを使い分けることでさらに効果を高めることができます。

この記事では、植物発酵エキスについて、生育ステージに合わせてどういった植物発酵エキスが良いのかなどをまとめていますので、ぜひ参考にししてください。

植物発酵エキスについて

スギナを容器に入れる

植物発酵エキスは、身の回りにある雑草でも栽培中の作物でも材料になります。

その茎葉や花蕾、果実に砂糖を混ぜて浸けて、共生微生物を増殖、発酵させて作ります。

病原菌が繁殖して病気になった茎葉は除外し、健全な材料を選びます。もちろん農薬を散布したものは論外です。

例えば、茎葉エキスの場合、採取した材料は洗わず細かく切って、梅酒を作る広口ビンなどに、材料の重さの30〜50%の砂糖をまぶしながら入れ、強く押して詰め込みます。

砂糖は植物エキスを浸透圧で抽出するとともに、付着していた葉面微生物のエサになります。

翌日には共生微生物が増殖し、材料の細胞液が抽出してくるとともに、プクプクと泡(微生物が発する二酸化炭素)が立ってきます。

散布適期は、このプクプクの最盛期、つまりもっとも微生物が多く、活発になったときです。春・秋で約1週間、夏は3日ぐらいで完成です。

一般に作物は7〜10日おきに新しい葉が展開してくるので、1000倍に薄めた植物発酵エキスを、1週間おきに定期的に散布します。

散布すると、共生菌が増えて、その活躍によって病原菌が繁殖できなくなり病気は発生しにくくなります。

さらに作物自身の害虫忌避機能も強化します。

このように植物発酵エキスは、葉面微生物の生きた菌体エキスです。

化学農薬や植物から抽出した抗菌、殺虫成分のように病原菌を直接殺傷する力はありません。

しかし、共生する葉面微生物を増やすことによって、その拮抗作用によって病原菌を抑制します。

散布後、余ったエキスは株元の土壌にも散布します。土壌中の有用微生物が増え、土中の病原微生物の増殖を防いでくれます。

植物発酵液を作る材料は散布する作物から採取するのがベターです。

さまざまな微生物資材も市販されていますが、市販のジュースで果実エキスを作るとき以外は使いません。

発酵に必要な菌は材料に付着しているからです。

というのも、共生微生物と作物には相性があり、キュウリとトマトでは発生している葉面する病気(病原菌)が違うように、共生している葉面微生物も違うからです。

トマトにはトマト、ダイコンにはダイコンの植物エキスは最も高い効果を望めます。

それが無理でも、ナス科にはナス科、アブラナ科にはアブラナ科の植物エキスがより効果が高いことも覚えていきましょう。

植物エキスは茎葉エキス、花蕾エキス、果実エキスの三種類ある!

黒砂糖をまぶす

植物の細胞液は、アミノ酸や糖などの栄養分の他に、その植物の生命活動を司っているビタミンやミネラル、植物ホルモンなどが含まれています。

これらの栄養素やホルモンは、作物の頂芽やわき芽などの生長点に非常に多く含まれています。

先端部やわき芽など生長点を多く含む部分を材料にすると、これらの有用な成分を含むエキスを作ることができます。

細胞液は砂糖の浸透圧作用によって抽出され、さらに葉面微生物がその細胞液をさまざまな酵素を出して発酵させ、それらを分解したり合成したりして、植物が必要なアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養やホルモンを作ります。

作る過程で出るさまざまな酵素も、作物の健全生育にとって大きな力を発揮します。

また発酵によってできるアルコール成分は、エキス成分を葉から吸収しやすくし作物を活性化させます。

植物発酵エキスを散布すると、これらの有機栄養と生長ホルモンエキスが葉面、根から吸収され、より健全な生育を促します。

素材選びでもう一つのポイントは、散布する作物の生育ステージに合わせて材料を選ぶことです。

生育ステージは大きく分けて茎葉が生長する栄養生長期と、花芽や蕾、花、果実が発育すると生殖生長期、その中間の生育交代期とがあります。

その生育ステージによって必要な栄養素も生長ホルモンも違います。

なので生育ステージに合わせて、茎葉エキス、花や蕾を素材とした花蕾エキス、果実を発酵させた果実エキスの3つの基本エキスを作ることが望ましいです。

野菜には葉菜、根菜、果菜とがありますが、収穫までの生育ステージが異なるので、この3つの植物発酵エキスの使い方も違います。

茎葉エキス

もっとも基本となる植物発酵エキスです。

植物の勢いよく生長している先端部分を素材に作るエキスで、作物の栄養生長を促します。

アミノ酸などの有機窒素成分や生長ホルモンが多く含まれているので、本葉が見える頃から1週間おきに定期的に散布します。

花蕾エキス

生殖生長を促すリン酸やカルシウムなどの栄養分と生殖ホルモンが多く含まれ、散布すると生殖生長に移行するスイッチが入り、花芽の分化、発育を促します。

花蕾エキスは基本的に果菜類のみに使います。

栄養生長と生殖生長の交代機となる本葉6〜7枚目の出蕾期に、果実エキスと混合して散布します。

量に余裕があれば、以後も果実エキスと混合して散布すると効果的です。

果実エキス

果菜や果物の果実を発酵させた果実エキスには、果実を肥大、成熟させるリン酸やカルシウムが多く含まれた有機栄養と植物ホルモンが豊富に含まれています。

果菜には六葉期の生育交代期から茎葉エキスと交互に収穫まで散布します。

葉菜類にも生育交代期にかけます。

さらに葉菜でも根菜でも収穫前に果実エキスをかけると糖度がのって甘くなります。

植物エキスの材料について

ヨモギ

身近にある材料を早朝に採取

茎葉エキスは、春はヨモギ、カラシナなどの野草、それに一気に伸びるタケノコ、夏は旺盛に伸びた葛谷クローバーもオススメです。

材料集めは早朝に行います。植物は昼間光合成で作った養分を、夜のうちに体内に転流・蓄積させています。

早朝は植物がもっとも「いいとき」なのです。なので早朝に植物を集めにいきましょう。

花蕾エキスは大量には必要ありませんが、ブロッコリーは花蕾そのものなのでオススメします。

花蕾には細胞液が少ないため、砂糖ではエキスを抽出しにくく、焼酎に浸けてアルコール抽出します。

アルコール抽出では共生微生物が殺菌されてしまうため微生物効果は期待できません。

果実エキスは摘果したトマトなどが中心になりますが、ない場合は、パイナップルやブドウなど市販の果物でも代用できます。果実のジュースを発酵させる場合は、イースト菌を少々加えます。

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四季ごとに1kgの材料を仕込めば十分

植物発酵エキスは散布する1週間ごとに作るのが、微生物の活性から見て理想ですが、できたエキスを冷蔵庫に入れて微生物を休眠させておき、使う1日前(20℃前後の時の場合)に使う量を出して再発酵させれば、半年間くらい利用できます。

一度に作る量の目安ですが、もっとも多く使う茎葉エキスは、仕込んだ材料の重さの半分くらいの量になります。

例えば、4ℓの広口ビンには、茎葉約1kg・砂糖300gを仕込むことができ、500ccくらいの茎葉エキスができます。

100㎡あたりの使用量は、1回の30〜50ccです。(1000倍に希釈して30〜50ℓ)。500ccできれば、10〜17回分、1週間おきに散布しても2〜3ヶ月分になります。

つまり、100㎡の家庭菜園の場合、四季ごとに1kgの材料を仕込めば十分なのです。

果実エキスはその三割くらいで十分です。花蕾エキスは使用回数が少ないので、材料は100gもあれば十分です。

まとめ

植物発酵エキスは、その茎葉や花蕾、果実に砂糖を混ぜて浸けて、共生微生物を増殖、発酵させて作ったエキス。身の回りにある雑草や栽培中の作物で作る。

そして、その植物エキスは栽培中の作物の生育ステージに合わせて3つに分けられ、それぞれのエキスをそれぞれの適期に散布することで様々な効果を期待できる、というわけですね。

自然農薬は多様なものがたくさんあり、また有効成分の抽出方法や植物エキスもその植物のどの部分を使うかでも効果は変わります。

様々な効果が期待できる自然農薬、効果的に取り入れて理想の無農薬栽培、減農薬栽培を実現していきたいですね。

下記では、20種類以上の自然農薬の効果と方法を一覧にしてまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。

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