自然農薬を効果で大まかに2つに分けると、「基本エキス」と「防除エキス」に分けられます。
この「基本エキス」と「防除エキス」の二段構えによってしっかりと自然農薬の効果を発揮することができます。
ざっくり説明すると、栄養成分が多い基本エキスは、植物に活力をつけ抵抗性を高めるために定期的に散布します。
殺虫、殺菌力のある防除エキスは、病害虫の発生初期や発生しやすそうなときに、その病害虫に効くものを選んで散布して防除します。
この記事では、「基本エキス」「防除エキス」についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
基本エキスは植物活性効果
基本エキスの材料となる植物はオオバコ、ドクダミ、クマザサ、ヒノキの葉などです。
身近で手に入りやすい素材の中から、毒性がなく、ビタミンやミネラル、植物生長ホルモンが豊富で、なおかつ病害虫忌避効果の高いものを選んでいます。
自然農薬による防除はこの基本エキスの1週間おきの定期散布が基本となります。
基本エキスに含まれるビタミンやミネラル、植物ホルモンなどが作物の健全な生育を促して病害虫に対する抵抗力をつけます。
また匂いの強いドクダミの効果によって害虫に対する忌避効果もあります。
クマザサは抗菌作用も期待できます。週に一度の基本エキスの定期散布によって、ちょっとやそっとでは病害虫に負けない作物に育てることができるのです。
下記に「基本エキス」の素材となる植物を一覧にしてまとめましたので、気になる方はぜひご覧ください。
防除エキスは殺虫・殺菌効果
基本エキスの定期散布で病害虫の被害は確実に減るのですが、それでも相手は自然です。
天候の悪化や周囲の環境によっては病害虫が発生します。
どうしても発生してしまう病害虫に対しては、発生動向に応じて防除エキスをピンポイントで使って対処します。
防除エキスとは、害虫に対する殺虫成分や病原菌に対する殺菌・抗菌成分を含んだ植物エキスです。
材料には、アセビやクスノキ、シキミ、ナンテンなど病害虫に対する防除・予防の成分を含んだ植物を利用します。
基本エキスで抵抗性をつけて、いざというときは防除エキスでピンポイント防除を行う、この二段防除が植物エキスで病害虫防除を行うのが基本です。
防除エキスは、化学農薬のように害虫も益虫も全滅なんてことにはなりませんが、基本エキスで抵抗性をつけておいて、害虫の発生動向をよく観察しておけば十分効果があります。
植物由来で分解が早いとはいえ、防除エキスには強い殺虫、殺菌効果を含むものがあります。
アセビ、シキミなど人体に対して全く無害とは言い切れないものもありますので、素材によってはマスクの着用が必要です。
また収穫前3日間の散布は避けましょう。
下記に「防除エキス」の素材となる植物を【病気予防】【害虫忌避】の2つの観点に分けて一覧にしてまとめましたので、気になる方はぜひご覧ください。
まとめ
上記で述べたように、自然農薬は、
基本エキスで抵抗性をつけて、いざというときは防除エキスでピンポイント防除を行う
のが基本となります。基本エキスも防除エキスも基本は植物から抽出したエキスです。
しかし、実は、植物以外のものから作った自然農薬もあります。
植物以外のものから作った自然農薬については下記にまとめてありますので気になる方はこちらをご覧ください。