土と肥料

発酵鶏ふんとは?その特徴|使い方と注意点【家庭菜園】

発酵鶏ふんとは?その特徴

発酵鶏ふんとは、鶏ふんを堆積、発酵させたものです。

鶏は濃厚飼料で育てられているため、肥料成分が多い反面、繊維分はほとんど含まれていません。

肥料分は、窒素、リン酸、カリの三要素ともに多くまたバランスよく含まれています。商品にもよりますが、窒素3%、リン酸7%、カリウム3%を含んでいます。窒素分は分解しやすい形態なので、化成肥料並の肥料効果があり、使うと野菜が大きくなります。しかし、その分病害虫が出やすくなるので注意しましょう。

一般に流通する発酵鶏ふんの多くは、採卵用の鶏のふんに由来します。

飼料に大量のカルシウムが混ぜられているため、石灰の含有量が多いのが特徴です。鶏ふんを使えば、カルシウムの良い補給源になるので、その場合は、有機石灰の施用は不要です。

有機物なので、多少の土壌改良効果はありますが、主に肥料を供給する資材と考えると良いでしょう。

発酵鶏ふんの使い方と注意点

土をふかふかにする効果は低いので、すでに土ができている畑に向いています。

また、鶏ふんはあらゆる野菜に利用することができますが、リン酸とカリウムが特に豊富なので、果菜類や根菜類がよく育ちます。

発酵鶏ふんは、発酵させてあるために効き出しが速く、元肥に使うほかに、追肥にも向いています。施してから1〜2週間で植えつけすることができます。

発酵鶏ふんは化成肥料のようによく効く肥料なので、使うときは、肥料の効きすぎに注意しましょう。多肥は禁物で、根が肥料焼けを起こして弱ってしまいます。

控え目にすき込んで追肥でカバーするか、あるいは野菜から離れた場所に埋めることで肥料の効きすぎを抑えましょう。

腐熟が不十分だと、野菜の生育に影響が出ます。発酵させてない「乾燥鶏ふん」も市販されていますが、畑に施してから植えつけまで1ヶ月近くあける必要がある上、臭いがキツイので家庭菜園には少々不向きです。発酵鶏ふんはあまり臭わないのでオススメです。しかし、アンモニア臭ものもあるので、そういったものを使う場合は、投入後2〜3週間ほど土中で分解させてから野菜を植えつけましょう。

悪臭がしなければ、投入後1週間ほどで植えつけが可能です。

オススメの発酵鶏ふん

発酵鶏ふんは臭わず、元肥にも追肥にも使える万能肥料です。市販されているので、手に入るものを利用しましょう。

オススメは「竹酢発酵鶏ふん」です。ビギナーにも使いやすい肥料です。

また、米ぬかでボカシ肥料を作るときに発酵鶏ふんを加えると栄養のバランスがよくなります。

落ち葉の堆肥づくりにも利用可能です。米ぬか同様、落ち葉に振りかけておくと発酵が促進します。

下記に落ち葉の堆肥づくりの実践記録を載せていますのであわせてご覧ください。

その他にもオガクズを入れて肥料効果を穏やかにした「鶏ふんオガクズ堆肥」なども販売されています。

発酵鶏ふんまとめ

○元肥にも追肥にも向き、施してから1〜2週間で作付け可能。

○窒素分が比較的早く効き、使うと野菜は大きくなる。しかし使いすぎると肥料焼けを起こしたり、病害虫の被害が出やすくなる。

○カルシウムの良い補給源になるので、発酵鶏ふんを使う場合は、有機石灰は不要。

○乾燥鶏ふんは家庭菜園にはむかず、発酵鶏ふんがオススメ。