1.ミョウガ栽培について
ミョウガの原産地は中国または日本と言われ、すでに平安時代には広く食用とされていて、日本人の食生活と深く関わりのある野菜です。
当時、ミョウガはお城や館の土手の木陰に生えていて、戦いで篭城したときの食料の一つとされていたようで、今でも古い民家の庭隅にも見られます。
香りとさっぱりした食味が特徴で、夏場の麺類の薬味によく用いられます。
これだけ日本人に好まれているミョウガですが、他の国では、韓国と台湾でわずかに利用されているだけです。
ミョウガは日本人だけがその香りと味を好む野菜なのかもしれません。
2.ミョウガの品種
早生を夏ミョウガ、晩生を秋ミョウガと呼ぶ程度で、品種としての分化はありません。
若い茎状の芽を暗くして軟白させるミョウガダケもありますが、品種としては同じです。
3.ミョウガの育て方
土づくり
強い日光が当たる場所は避け、半日陰や、立ち並んでいる木の下の湿り気のある場所を好みます。
そういった場所に、まずは、根がよく張るように堆肥を全面に施し、深さ20cmくらいまで耕します。
畝の幅は100〜120cm、高さ15cmとします。
酸性土壌への適応性が広いので、pH値の数値はあまり気にする必要がありません。
種植え・植えつけ
根株の萌芽は15℃くらい(藤の花が咲く頃)なので、芽が伸びる前に株分けをして根株を準備します。
根株は種苗会社でも販売していますが、ミョウガは病気の少ない野菜なので、栽培している人から分けてもらうのも良いです。
株間は15〜25cmとし、深さ10cm弱の植え穴を掘って親株を植えつけます。
この時、芽を上にして植えるので、必ず向きを確認してください。
管理
1回目の追肥
植えつけの約1ヶ月後、本葉が3〜5枚になったら、中耕を兼ねて化成肥料(8-8-8)30/㎡を与えます。
2回目の追肥
1回目の追肥から2ヶ月ほど経った頃、中耕と追肥(1回目と同じ内容)をします。
乾燥を防ぐため、株間に敷きワラをするか、もみ殻や腐葉土をかぶせます。
収穫
夏ミョウガ(早生)の場合、この7月上旬から収穫が始まります。
ミョウガの根元を見回り、薄い黄色の花が開く直前に摘み取ります。
4.ミョウガのよくある生育不良|おもな病害虫
通常の栽培では特に被害はありませんが、トンネル栽培など過湿状態が続くと、根茎の腐敗病が広がることがあります。
高温下で発生するため、半日陰の場所を選ぶことで防除できます。
また、特につきやすい害虫はありません。
5.まとめ
①畑の庭隅など、湿り気のある半日陰に植える。
②排水と保水のよい土質を選びます。
③肥沃な土壌に適するので堆肥を入れる。
④3年目以降は冬期に株間20cmほどに間引く。
⑤根が混み合うので3〜4年で植え替える。
おわりに
この記事では、ミョウガの基本的な育て方について紹介しました。
下記では、ミョウガ栽培の生育不良やミョウガ栽培のコツをまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。