1.シカクマメの栽培について
シカクマメは、東南アジアのパプアニューギニア、熱帯アフリカなどで栽培されていて、若いサヤを食べる野菜です。
サヤの断面を切ると四角形になっていることから、シカクマメという名前がついています。
日本には明治時代に渡来したとされていますが、広く知られるようになったのは1980年代ごろです。
沖縄の野菜不足を補うためにシカクマメが奨励されて広まっていき、「うりずん豆」と呼ばれて親しまれるようになりました。
完熟したマメの他に、細いサツマイモに似たイモが地下部にできます。
2.シカクマメの品種
特に品種の分化はありません。
3.シカクマメの育て方
土づくり
日当たり、水はけ、風通しの良い場所を選ぶようにしますが、マメ科同士では連作障害があるので前作から4〜5年は空けるようにします。
まず、植えつけの2週間前に、苦土石灰を散布して耕し、1週間前には完熟堆肥、化成肥料をまいて深く耕します。
畝幅は60cm、高さ10〜15cmで1条植えにしましょう。
土壌の適正酸度はpH6.0〜6.5です。
種まき・植えつけ
オクラと同じく低温や霜に弱いので、晩霜を避けて、地温が十分に上がってから種まきをおこないましょう。
適期は4月中旬〜5月中旬で、直まきも可能ですが、短日植物なのであまり遅まきにすると、夏場の長日で着花が悪くなります。
発芽適温は20℃〜25℃で、発芽まで7〜14日かかります。
まず、9〜12cmのポットに市販の培養土を入れ、深さ1cmほどの穴を等間隔で3つ掘り、種を1粒ずつ入れて覆土し、水をやります。
1〜2週間で発芽するので、1本間引いて健全な苗2本にします。
時期が早すぎても遅すぎても、生育の妨げになってしまいますので、管理の大変さを考えると、なるべくポットまきで育苗を行った方が安全でしょう。
苗の植えつけ適期は5月中旬〜6月中旬ですが、寒冷地の場合は種まき、植えつけとも適期が短いので注意してください。
植えつけは、株間50cmで植え穴を掘り、水を注いでその水が引いたら植えつけ、水やりをたっぷりとします。
管理
支柱立て・誘引
つるが伸びてくる前に、ネットを張るための支柱を立てます。
支柱は高さ210cmで、横にも渡してネットを張り、つるをヒモでネットに誘引します。
追肥・土寄せ
植えつけから40日〜50日ほどの時期(花が咲いて実がつき始めた頃)、株周りに化成肥料(8-8-8)30g/㎡を追肥して土寄せをします。
収穫
開花から2週間ほど経ち、サヤが15cmくらいになったら収穫します。
大きくなりすぎると味が落ちるので、小さいうちに収穫しましょう。
4.シカクマメのよくある生育不良|おもな病害虫
うどんこ病が発生しますが、それほど多いわけではありません。
害虫も総じてつきにくいのですが、見られるのはアブラムシ、ハモグリバエです。
5.まとめ
①低温に弱いので気温が上がり出してから種をまく。
②短日植物なので夏の長日による着花の妨げに注意。
③連作障害があるのでマメ科の跡地は避ける。
④窒素肥料の量は多すぎないようにする。
⑤15cmほどに生長した若いサヤを利用する。
この記事では、シカクマメの育て方・栽培方法を紹介しました。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法をまとめています。