1.サイシンの栽培について
サイシンは、ヨーロッパが原産で、中国では油菜(ユーサイ)、菜苔(サイタイ)と呼びます。
とう立ちした花蕾(花の蕾のこと)と若い茎を食用としますが、濃緑の卵形葉や間引き菜も利用することができ、暑さに強く、比較的短期間で生育します。
初夏から晩秋にかけてとう立ちし、真夏でも旺盛にとう立ちするため、夏の野菜としても利用できますが、寒さには極端に弱い野菜です。
太くて品質の良いとうを立たせることが大切なので、栽培するときは肥料切れや乾燥に十分注意しましょう。
2.サイシンの品種
品種としての分化はなく、中国野菜「サイシン」と明記してあるものを使います。
3.サイシンの育て方
土作り
日当たりと排水がよく、腐植の多い肥沃な土壌が適しています。
連作障害があるので、同じ場所での栽培は1〜2年空けてからにしましょう。
種まきの2週間前に苦土石灰を、1週間前に完熟堆肥、有機配合肥料を施します。
クワなどでよく混ぜながら耕し、畝幅70cm、高さ5〜10cmの畝を立てます。
乾燥しやすい場合はマルチをしましょう。
種植え・植えつけ
種まきの時期は3月中旬〜9月中旬で、寒冷地はそれより種まきの適期が短く、暖地は中間地とほぼ同じ長さです。
株間15〜20cm、条間30cmの2条まきが基本ですが、まき穴は、直径5cm、深さ1cmで穴をつくりましょう。
まき方は点まきで、ひとつの穴に5〜6粒の種をまきます。
種が埋まる程度に軽く土をかぶせて、まき穴全体を軽く手で押さえた後、たっぷり水をあげましょう。
管理
間引き
発芽後、本葉が1枚の頃に、育ちのよい苗を3本に間引きます。
そして、本葉が2〜3枚で2本、本葉4〜5枚で1本残し間引きをします。
追肥・土寄せ
種まきの1ヶ月後から、月に1回、株元に化成肥料30g/㎡を与え、表土とよく混ぜて軽く土寄せします。
追肥は収穫後にも行うと、長く収穫することができますよ。
収穫
とう立ちして花茎が伸びてくると、1〜2輪の花が咲いて収穫適期を迎えます。
上から長さ15cmくらいの若い部分ですので、ハサミで切り取りましょう。
また、株ごと切り取って葉を利用することもできます。
4.サイシンのよくある生育不良|おもな病害虫
連作障害があるぐらいで、特にかかりやすい病気はありません。
特に害虫の発生が多くなる高温期は、生育期間が短くなるので、農薬を使用する場合は使用方法をよく確認し、農薬の残留に十分注意する必要があります。
また、農薬を使わずに栽培する場合は、トンネル栽培を行うなどの工夫が必要です。
5.まとめ
①適期でまくと、分枝が多く収穫期間も長くなる。
②秋まきで長く収穫する場合は、株間を20cm程度にする。
③間引き時に中耕+土寄せで根の張りをよくする。
④収穫後に追肥をすると長く収穫できる。
⑤高温期は生育期間が短いので農薬の残留に注意する。
この記事では、サイシンの育て方・栽培方法についてまとめました。
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