1.ピーマン栽培について
トウガラシの仲間のうち、辛みのある種類をトウガラシ、辛みのない種類をピーマンと呼びます。
果菜の中でも高温性で暑さに強く、病害虫も少ないので栽培は比較的容易です。
ただ、ナス科の連作による土壌病害を避けるため輪作に努め、栽培後3年以上はナス科野菜の休栽しましょう。
2.ピーマンの品種について
ピーマンの品種は、果実の大きさによって小果種、中果種、大果種に分かれます。
①伏見甘長(長形でよく揃い、辛みが少ない。小果種)
②翠進(細長く、鮮やかな緑色で生育旺盛。小果種)
③ニューエース(中獅子形で平均果重40gのボリューム。中果種)
④京波(収穫量多く、耐病性に優れる。中果種)
⑤翠玉二号(丈夫で高温、乾燥に強く育てやすい。中果種)
⑥ワンダーベル(育てやすいベル形のパプリカ。大果種)
⑦ソニアミックス(果肉の厚いカラーピーマン。大果種)
3.ピーマンの栽培方法
土作り
日当たりと水はけがよく、肥沃な土壌が適しています。
ナス科の植物の連作は土壌の病害を起こすので、前作から3〜4年は空けましょう。
通気性のよい土を好みますので、堆肥などの有機物を多く施しましょう。
まず、植えつけの2〜3週間前に、苦土石灰を散布し土をよく耕します。
次に、1〜2週間前に堆肥、化成肥料を深く耕します。
そのあと幅120cm、高さ20cmの畝を作ります。
土壌の適性酸度は6.0〜6.5です。
種植え・植えつけ
種まきから始めると、植えつけ適期の苗を育てるまでにおよそ約70日かかりますので、市販の苗を購入して育てるのが無難です。
5月上旬〜中旬のゴールデンウィークが終わった頃を目安に植えつけましょう。
寒冷地では5月下旬〜6月中旬、暖地は4月中旬〜5月上旬がそれぞれの植えつけの適期です。
株間45〜50cmの2条千鳥植えにし、植えつけが終わったら、苗を安定させるために仮支柱を立てて誘引しましょう。
管理
支柱仕立て・誘引
一番果が着果し発育してくると、分枝が伸びてくるので、ナスと同様に3本仕立てにして、下の枝は全て取り除きましょう。
3本に仕立てる作業のとき、同時に本支柱を立ててしっかりと株を誘引し、倒伏し枝が折れるのを防ぎます。
支柱は高さ150cmほどで、畝から30cmの位置で株と結びつけて誘引します。
仕立て方については下記に詳しくまとめています。
整枝
生育とともに、枝が混んできたら重くなった枝などを剪定します。
孫枝を剪定し、葉の重なりを減らしましょう。
追肥
一番果の収穫が終わったら、1回目の追肥をし、2回目以降は、草勢が衰えないうちに、畝の肩に2週間に1回のペースで施します。
収穫
開花から収穫までの日数はおよそ15日〜20日で、着果量の多い場合は早めの収穫を心がけ、株が弱らないようにしましょう。
収穫が遅れると果皮が硬くなります。
完熟果や大果種は、開花後60日前後が収穫適期です。
4.よくある生育不良・おもな病害虫
ピーマンのよくある生育不良・病害虫については下記にまとめています。
5.まとめ
①株の活着を促すには5月連休以降に植え付ける。
②無理な早植えをしない。寒い場合はポリマルチで地温を高める。
③3本仕立てで風通しをよくします。
④株の生育を促すには1番果を早めに収穫します。(摘果)
⑤2週間ごとに追肥をして草勢を維持しましょう。
⑥連作は避けて5年はあける。
この記事では、ピーマンの基本的な育て方・栽培方法について紹介しました。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法をまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。
2条千鳥植え:2条で栽培するときに、千鳥の足跡のように植えつけること。 整然と並んだ列から交互に1株ずつを取ったような植え方。