辛みダイコンは、辛みの強い小型ダイコンの総称で、全国各地に様々な品種があります。
薬味用のおろしや、絞り汁をそばやうどんのつゆに使うなど、ワサビとは違う独特の味になります。
この記事では、辛みダイコンの育て方・栽培方法についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
辛みダイコンについて
栽培の起源は古く、江戸・元禄時代に、京都で「辛味大根」、長野で「ねずみ大根」や「親田辛味大根」などの栽培が始まったと言われます。
他にも岩手県や山形県、滋賀県でも、伝統野菜として栽培されています。
春まき栽培:種まき4月〜5月上旬、収穫6月中旬〜下旬
秋まき栽培:種まき9月上旬〜10月上旬、収穫11月中旬〜2月下旬
根は小ぶりなので、ふつうのダイコンのように深く耕す必要はありませんが、草勢は弱いので、やはり土づくりは大切です。
20cmほどの深さまでよく耕し、溝に点まきします。
発芽したら遅れずに間引き、追肥と入念な土寄せで倒れないようにします。
肉質が緻密な品種は、薬味だけでなく、漬物にも向きます。
辛みダイコンは、1回ごとに使い切れる、小ぶりなものに人気があります。
辛吉(サカタのタネ):長さ15〜20cmの使い切りサイズ。非常に辛みが強く、薬味にオススメ。
からいね赤(渡辺採種場):水分が少ないので、おろしても水っぽくならない。強い辛みがあり、薬味に最適。
辛之助(タキイ種苗):小型の丸ダイコンで、薬味やおろしに最適。裂根が少なく作りやすい。
畑の準備・種まき
種まきの2週間くらい前に元肥を施して、20cmほどの深さによく耕します。
元肥の量は、1㎡あたり堆肥5〜6握り、油かす大さじ4杯、化成肥料大さじ2杯です。
畑の準備ができたら、次に種まきです。
クワ幅で深さ3cmほどのまき溝を作り、直径5〜6cmの瓶底などで植え穴をあけ、1カ所4〜5粒ずつまき、1〜1.5cm厚さに覆土します。
大型の品種は株間を広く15cmほどとりましょう。
間引き・追肥・土寄せ・収穫
間引きは2回に分けておこないます。
1回目は発芽がそろって本葉1〜2枚の頃に3本します。
2回目は本葉が3〜4枚の頃で、1本立てにしましょう。
追肥は3回に分けておこないます。
1回目は1回目の間引きの後、畝の縁に沿って、畝の長さ1m当たり、油かす小さじ1杯と化成肥料小さじ1杯をばらまき、軽く土と混ぜます。
2回目は2回目の間引きの後、畝の片側に畝の長さ1当たり、油かす大さじ2杯、化成肥料大さじ1杯をばらまき、クワで土と混ぜながら畝の肩に寄せ上げます。
3回目は2回目の追肥の半月後に、2回目の追肥の反対側に畝の長さ1m当たり、化成肥料大さじ2杯でばらまき、土混ぜて畝の肩に寄せ上げます。
収穫は、品種の特性に応じて、収穫の大きさや利用方法を変えて楽しむと良いですね。
おわりに
辛みダイコンはふつうのダイコン同様に、害虫がつきやすく、特に、キスジミノハムシ、コナガ、アブラムシなどに注意しましょう。
見つけ次第、殺虫剤を散布したり、捕殺すると良いです。
大根おろしに活躍する辛みダイコン、ぜひ一度育てて見てはいかがでしょうか。
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