土と肥料

化学肥料とは?有機質肥料とは?その違い【有機質肥料一覧】

ホームセンターなどに行くと様々な種類が売られていて、どれを選んだら良いか迷ってしまいます。肥料は色々な分類の仕方がありますが、大まかには、①原料による分類②形状による分類③効き方による分類に分けられます。

肥料を①原料による分類で分けると大まかに「有機質肥料」「化学肥料」の2つに分かれます。

この記事では、有機質肥料と化学肥料の違いについて、また、有機質肥料の種類と特徴をまとめましたので、ご覧ください。

もし、「肥料の基本を学びたい!」という方はまずはこちらの記事をご覧ください。(後日更新予定)

化学肥料とは?有機質肥料とは?その違い

定期的な追肥

よく耳にする化学肥料有機質肥料ですが、両者は原料が異なります。前者が空気や鉱石などの天然物を原料として化学処理を施すのに対し、後者は、魚かすや米ぬか、油かすなど動植物由来です。

化学肥料の最大の特徴の一つは、施肥の効果がすぐに現れることです。施された肥料はすぐに土中の水に溶け、根がすぐ吸収できる形態になります。

有機質肥料の場合は、現れ方が全く異なります。土中に与えられても、すぐに根に吸収されることができません

微生物によって分解されてから、はじめて根に吸収される形になるのです。

従って、肥料の効き目はゆっくりで、もし、チッ素やリン酸不足の症状が作物に現れたとき、あわてて有機質肥料を土に与えても効果は期待できません。

しかし、有機質肥料には化学肥料にはない大きな利点があります。

化学肥料の機能は養分の供給に限られますが、有機質肥料は肥料成分を穏やかに効かせながら微生物が有機物を分解することによって、団粒構造を形成したり、生物相の多様性を保持したりと多岐に渡ります。

また、化学肥料と有機質肥料の違いとしては、その肥料成分の数ということが挙げられます。

化学肥料は基本的には作物の主要な肥料成分の一つか二つを含むに過ぎません。

これに反して、有機質肥料に含まれる肥料成分は多様です。水分を除けば、炭素、ケイ酸、カリ、石灰、チッ素、リン酸、マグネシウム、マンガンなどが含まれます。

化学肥料の特性はその単純性にあり、有機質肥料のそれは、多様性にあるということができます。

それぞれに長所が異なるので、両者をうまく組み合わせて使うのが、最も現実的なやり方といえます。

有機質肥料の種類と特徴【一覧】

有機質肥料は、土の中で微生物よりタンパク質がペプチドからアミノ酸を経て、アンモニウムイオンや硝酸イオンに変換され、チッ素肥料としての効果を発揮します。

そのため、ゆっくりと効いて長持ちすることが特徴なので、堆肥と同様に種まきや植えつけのときは2〜3週間前に施して、土の中で分解させて、土になじませる必要があります。

下記に有機質肥料を一つずつ紹介します。詳しく知りたい方は、下記中に記事リンクを載せていますのでそちらもあわせてご覧ください。

油かす

有機栽培のベースとなるチッ素肥料で、配合比は、チッソ分5〜7%、リン酸1〜2%、カリ分1〜2%です。肥料の効き方は緩行性で、施してから作物の植えつけまでに2〜3週間が必要です。

骨粉

熔リン並の緩行性リン酸で配合比はチッソ分が4%、リン酸が17〜24%です。水溶性リン酸を含む過リン酸石灰や草木灰との併用が必要です。微生物の繁殖のために堆肥を混ぜます。

草木灰

速効性のカリ、リン酸、石灰肥料で配合比はリン酸3〜4%、カリ分7〜8%、石灰分11%です。硫安、塩化カリ、過リン酸石灰と併用しません。手づくりするなら化学物質や金属類などを取り除きましょう。

魚かす

味をよくする動物質の有機質肥料です。配合比はチッソ分7〜8%、リン酸5〜6%、カリ分1%です。効き方はやや速効性です。施してから作物の植えつけまでに2〜3週間が必要です。鳥や虫の被害には注意しましょう。また、施しすぎにも注意です。カリ分はほとんどありません。

米ぬか

堆肥、ボカシ肥の発酵剤として最適です。配合比は、チッソ分2〜2.6%、リン酸4〜6%、カリ分1〜1.2%です。効き方は緩行性で、施してから作物の植えつけまでに3週間程必要です。脂肪分が多いので、分解が遅いです。害虫、雑菌の巣にならないようによく混ぜるようにしましょう。

乾燥鶏ふん

速効性の有機質肥料で、リン酸分の多い普通化成並の肥料の効果があります。配合比は、チッソ分が3%、リン酸5〜6%、カリ分3%、石灰分9〜14%です。施してから作物の植えつけまで3〜4週間が必要です。水分を吸収すると悪臭がします。

発酵鶏ふん

速効性の肥料で、リン酸分の多い普通化成肥料並の肥料の効果があります。肥料の配合比は、チッソ分4%、リン酸7〜9%、カリ分2.5%、石灰分10〜15%です。施してから作物の植えつけまで1週間程度必要です。肥料成分が多いので、一度に施し過ぎないようにしましょう。

おわりに

この記事では、化学肥料と有機物肥料の違いと有機物肥料の種類と特徴についてまとめました。ちなみに、化学肥料も化成肥料単肥に分けられるのはご存知でしょうか。どの基準で化学肥料を化成肥料と単肥に分けるのでしょうか。下記記事で、「化成肥料と単肥の違い(後日更新予定)」と「化学肥料の種類と特徴【一覧】(後日更新予定)」をまとめましたので気になる方はあわせてご覧ください。

また、冒頭で述べたように肥料は「原料による分類」以外に、「形状による部分類」「利き方による分類」がありますので、こちらもどうぞ。

肥料の分類ー形状による分類ー(後日更新予定)

肥料の分類ー効き方による分類ー(後日更新予定)