タネにはどれも寿命があり、寿命を迎えたタネは発芽率が悪くなったり、発芽しなかったりします。
この記事では、タネの寿命について分類や寿命に影響する要因、寿命【一覧】についてまとめています。
タネには寿命がある
タネ袋の裏には、有効期限と発芽率が記載されています。
有効期限とは、冷暗所で正しく保存した場合、そのタネがいつまで記載された発芽率を維持できるかという目安です。
市販されているタネは、有効期限を過ぎても発芽しないというわけではないですが、タネにも発芽能力を維持できる期間=寿命があります
タネは完熟期に最高の活力を持つようになっていますが、その後は衰退の方向に向かっていき、最後には死滅(発芽能力を喪失)します。
タネの寿命による分類
タネはその寿命によって、3つに分類されます。
・長命種子⇨寿命4〜6年。またはそれ以上。
・常命種子⇨寿命2〜3年。
・短命種子⇨寿命1〜2年。
ただし、タネの寿命は一定したものではなく、自然のものですので、色んな要因で長くなったり、短くなったりします。
その要因というのは、採種されたときの環境条件、タネの熟し方、水分含有量、保存状態などです。
タネの寿命に影響する要因
完熟前の障害
人参やキャベツ、レタスや玉ねぎなどは6月から7月にかけて、タネが熟成する場合が多いです。
しかし、この時期は梅雨の時期で、気温が高く雨量が多くて、湿度が高いです。
そのため、タネの成熟期間中に母植物が高温多湿を受けて衰弱してしまい、同時に病害発生が高くなるために、タネの成熟が妨げられてしまい、発芽力や寿命が低下しやすくなります。
収穫、調整作業の適否
収穫や調整(刈り取り、精選、乾燥など)の作業がタネを損傷し、寿命を縮めることがあります。
脱穀や精選機の回転が早過ぎて被害を受けることがあります。
また、収穫後の蒸れによって急激な活力低下を引き起こしたり、加熱乾燥時の過熱でタネの寿命を縮めてしまうことがあります。
貯蔵中の環境条件
タネをとりまく空気の相対湿度や温度もタネの活力と寿命に影響します。
タネは湿度20〜25%、温度5℃以下で保存してくのが理想で、これより湿度が1%上がると発芽率は半減、温度が5℃上がったときも半減します。(ハリントンの法則)
冷蔵庫の野菜室などで保存するのが良いですね。
タネの寿命【一覧】
長命種子 | 4〜6年 | トマト、ナス、スイカ |
常命種子 (やや長命) | 3〜4年 | 大根、カブ、白菜、ツケナ キュウリ、カボチャ |
常命種子 (やや短命) | 2〜3年 | キャベツ、レタス、ほうれん草 ゴボウ、トウガラシ、エンドウ、 インゲンマメ、そら豆 |
短命種子 | 1〜2年 | 紫蘇、枝豆、スイートコーン |
この一覧はあくまでも目安で、同じ野菜でも品種によって違ったりします。
なので、購入したタネのタネ袋の裏にある有効期限は必ず確認しましょう。
下記には有効期限をはじめ、タネ袋の見方についてまとめています。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。