猛暑が続くと、野菜も夏バテを起こし、高温、乾燥、直射日光などが原因で生育が鈍り、病害虫が発生することもあります。
この記事では、家庭菜園の暑さ対策について3つの工夫についてまとめています。
暑さ対策の大切さ
猛暑日と言われる気温35℃の日は、畑の地温は40℃以上になることもあります。
この温度は、ほとんどの野菜には暑すぎで、水分の蒸散が著しく、葉が焼けたり、ぐったりとしおれたりします。
弱った株に病気や害虫が忍び寄り、さらにダメージを与えるという悪循環に陥ります。
人間も暑い中で畑仕事してたら熱中症になりますよね。
人間の暑さ対策は水分をとったり、こまめに休憩するのが大切ですが、野菜の暑さ対策としては、大まかに次の3つを行うことで、暑さを乗り切ります。
①栽培計画の工夫‥種まき、植えつけの前から勝負は始まっている!
②作物管理の工夫‥野菜の基礎体力を高めて、暑さに強い野菜作りを目指す!
③資材の工夫‥資材の活用で、避暑、水分保持などの効果を上げる!
【工夫①】栽培計画の工夫
暑さ対策は、種まき時、植えつけ時の工夫が1つのポイントです。
暑さに強い野菜や品種を選んで栽培しましょう。
ダイコン、ハクサイやキャベツなどの葉菜類は、耐暑性があることをアピールした品種を各社が販売しています。
また、直まきではなく、育苗して日陰への移動を可能にすることも一つの工夫です。
さらに草丈が高くなる野菜の陰に植えて、日ざしを遮るのも良いでしょう。
完全に日陰になるわけではないので、日照不足の心配はありません。
①野菜を選ぶ⇨生育適温が高いものほど暑さに強い野菜。熱帯原産のクウシンサイやオクラ、ゴーヤなどは猛暑にも強い。
②品種を選ぶ⇨同じ野菜でも耐暑性のある品種を選ぶ。暑さに弱いホウレンソウなどの軟弱野菜でも、夏にオススメの品種がある。
③背の高い野菜の陰に植える⇨作付け計画を立てる段階で、トウモロコシなど草丈の高い野菜や。キュウリ、トマトなど。支柱を組んで栽培する野菜の北側に植える。
④育苗する⇨夏に種まきをするキャベツやブロッコリーなどは、セルトレイやポリポットで育苗後、畑に植えつける。容器の移動が可能で場所を取らないので、資材の利用も小規模で済む。
【工夫②】作物管理の工夫
暑さと日ざしで弱っている野菜に、更なるダメージを与えることは極力避けたいものです。
水も与え方によってはダメージとなるもので要注意で、水やりのタイミングとして適切なのは、晴天が続いて土の表面が白っぽく乾燥してきたときです。
1回の水やりは、水をあげた後に土を手で握って指で押すと3つに分かれるくらいの水量がベストです。
また、直接葉にかけると負担になることもあるので、勢いが強すぎない水を株元にかけましょう。
摘果・摘葉などで風通しをよくしたり、根を深く張らせることも大切です。
①根張りを深く⇨たっぷりの堆肥を地中深く耕すことで、根が深く張って乾燥に耐える力が生まれる。
②水やり⇨水やりは朝晩の涼しい時間帯に株元に与える。
③摘葉・摘果⇨なりすぎた果実や茂りすぎた枝や葉は適宜摘んで、風通しよくスッキリさせる。
【工夫③】資材の工夫
育てている野菜を見て、元気のなさが見てわかるようでは、野菜の相当のダメージを受けているはずです。
暑さにぐったりした野菜の応急処置としてすぐにできるのは、日光を遮ることです。
シルバーの遮光ネットや白の寒冷紗が効果があり、寒冷紗は裾を土に埋めて密閉すれば、虫害防止も役立ちます。
表と裏の色が違うダブルマルチは、表の白色が光を反射し、裏の黒色が透過光線を抑えて地温を下げるので便利です。
①マルチング⇨地温を下げる効果のある、白色や銀色と黒のダブルマルチを利用する。最も効果的なのは敷きワラ。
②遮光⇨白色の寒冷紗やマルチを織り込んだ遮光ネットをかける。特に日ざしの強い11〜15時ごろは効果大。
おわりに
野菜のことだけでなく、気候や土のことなど周囲のことも考えることが大切です。
暑さ対策だけでなく、あわせて同じ時期に発生する台風の対策も併せておこなっておきましょう。
下記では、野菜づくりにおける台風対策について7つの工夫をまとめています。