土と肥料

土づくりの基本的な流れ

家庭菜園での野菜づくり・花づくりのために、土づくりの準備をしていきましょう。

植物が生育しやすい環境にしていくために、まず堆肥を入れて耕していきます。

 

しかし、土にどれくらいの肥料成分が含まれているかをちゃんと把握しておかないと、土の中の養分バランスを崩して、かえって植物のためによくならないということにも繋がりかねません。

 

土づくりの大まかな手順を1〜4の行程にまとめました。

何をどれだけ入れれば良いのか、それを判断するための大切な作業が「土の健康診断」です。

土づくりの第一歩は、まず、土の状態を知ることから始まります。

1.土の健康診断をする

土壌のpH測定

土の水はけや水もち、通気性の良し悪しなどをチェックし、土のpHや養分バランスを診断します。

しっかりと土の状態を把握しておかないと、堆肥や肥料の適正な施用量を守れなくなります。

2.堆肥を施して耕す

堆肥

草を取り、雑草の根や石、ゴミなどを取り除いたら堆肥を施しましょう。

堆肥の種類や発酵の具合にもよりますが、少なくとも植えつけや種まきの2〜3週間前までに作業します。

堆肥をすき込みながら、大きな土の塊がなくなるように耕し、土の粒子とよくなじませてやります。

3.石灰資材を施す

土と石灰

土が酸性に傾いている場合は、石灰資材を施します。

しかし、植物によっては酸性を好むものもあるので、栽培する植物の適正酸度を調べてから行いましょう。

また、石灰資材と肥料を同時に施すと家畜ふん堆肥と同様に、アンモニアガスが発生することがありますから、石灰資材は元肥を入れる1週間前に施すようにしましょう。

4.元肥を施す

元肥を施す

植物が生育するのに必要な養分を元肥として土に混ぜます。

化成肥料やボカシ肥は、種まき、植えつけの1週間ほど前に入れておきましょう。

油かすなどの未発酵の有機質肥料は、2〜3週間前に施して、土の中でよくなじませておく必要があります。

番外編:土の養分バランスを調べる

土の養分バランス

堆肥は基本的に1年に1度、作付け前に投入すると良いのですが、ゆっくり効くので、大量に入れ続けていると、気づかないうちに養分が土の中に蓄積し、養分過剰の原因にもなります。

土の健康診断の手順は、まず土を見たり触ったりみたりして、その物理性をチェックして、pH試験紙などを使って土のpHを測定していきます。

さらに、土の養分バランスを調べて、堆肥や肥料の施用による養分過剰を防ぐ必要がありますが、土の中にどれだけの肥料成分が含まれているか正確に調べるには、JAをはじめとした専門機関に依頼しなければなりません。

 

そこで、手軽に土の肥料成分を調べられる方法として、農大式簡易土壌診断キット「みどりくん」があります。

 

肥料の三要素であるチッ素、リン酸、カリの各成分量がわかる他、土のpHも調べることができます。

各メーカーや種苗会社から通信販売などで購入することが可能です。

また、この診断キットは使い捨てですが、何度も繰り返し使えるECメーターも市販されてい。

少し値段は高いですが、いつでも好きなときに診断できるので、購入しても良いでしょう。

おわりに

今回は、土づくりの基本的な流れを4つに分けて紹介しました。

上記に述べている通り、土づくりの第一歩は「土の状態を知ること」です。

県農やJAに出して土壌診断をしてもらっても良いですし、先ほど紹介した「みどりくん」や「ECメーター」を使うのも手です。何にせよまずは、「土の状態を知ること」から始めましょう。