1.ショウガ栽培について
ショウガは地下茎が肥大してできた野菜で、全草(花、葉、茎、根などの植物の全ての部分のこと)に香りがあります。
高温多湿を好み、明るい日陰でも育てることが可能です。
栽培期間は長いですが、新ショウガ、筆ショウガ、ひねショウガと、色々な大きさで楽しむことができる野菜で、育苗苗が販売されているので、それを植えつければ栽培はとても簡単です。
夏に葉ショウガ、秋に根ショウガの収穫が楽しめます。
乾燥は大敵ですが、それ以外では病気や害虫の被害も少なく、育てやすいです。
2.ショウガの品種
ショウガは大きさによって大ショウガ、中ショウガ、小ショウガに分けられます。
・やなか、三州など(小ショウガ。早生で茎数が多く、辛みも強いので、葉ショウガとして使用されることが多い。漬物や煮物、香辛料に使われる)
・房州中太(中ショウガ。肉質が柔らかく、葉ショウガや漬物などに使われる。)
・近江、お多福など(大ショウガ。晩生で茎数が少なく暖地向き。辛みは少なく、漬物、煮物、菓子類、香辛料に用いられる。)
3.ショウガの育て方
土づくり
日陰でも育てることができますが日当たりのよい場所が適し、10℃を下回ると根茎が腐りやすくなります。
連作障害になりやすいので、前作から3〜5年はあけましょう。
まず、植えつけの2週間前に、苦土石灰を全面に施し、次に、1週間前に、完熟堆肥、化成肥料を同じく全面に施します。
新しい塊茎は種ショウガの上にできるので、耕土は20cmの深さが必要です。
適正土壌酸度はpH5.5〜6.0です。
種まき・植えつけ
畝幅は60〜80cmの1条植えにし、株間は小ショウガ30cm、大ショウガは60cmほどです。
植えつけの時期は、4月下旬から5月中旬にかけてが適期で、種の代わりに種ショウガを植えつけます。
種ショウガは芽がいくつかついた塊なので、芽が3〜4つくらいの大きさになるように削り分けます。(重さは1個40〜60g)
植え方は、塊茎の芽を上にして植え、覆土は5〜6cmです。
植えつけて、地上に芽が出てくるまで、約1ヶ月かかりますので植えた場所に目印をしておくのがよいです。
芽が伸びると基部から根が出るので、塊茎が地表に出ないようにしっかり覆土しましょう。
ショウガはサトイモと相性が良いので一緒に植えつけるもの良いですね。
管理
1回目の追肥・土寄せ
6月下旬〜7月上旬、本葉が2〜3枚のときに除草し、株間に化成肥料(8-8-8)を30g与え、その後塊茎部が隠れるように3cmほど土寄せします。
塊茎が地表に出ると肥大が悪くなり、反対に土寄せしすぎると塊茎が細長くなりがちです。
2回目の追肥・土寄せ
1回目の1ヶ月後、梅雨が明けたら、1回目と同じく除草と追肥をします。
覆土は少し多めで5cmくらいにし、乾燥を防ぐため、敷きワラすると生長がよくなります。
7月中旬〜9月下旬は塊茎が肥大するので、晴天が続いたときは水やりをします。
収穫
小ショウガは草丈が30〜40cmになる8月上旬に、種ショウガを傷めないように押さえ、伸びている茎の下部を引き抜くと、新しい塊茎がついています。
大ショウガは、10月に入ると、塊茎の肥大は終わるものの硬く充実してくるので、霜が降りる前に手で引き抜き、葉や茎を取って塊茎だけにします。
家庭菜園で一番難しいのは保存で、13℃以下になると腐敗が始まるので、冷蔵庫には入れないようにし、新聞紙に包むか段ボールなどに入れて、風通しのよい暗所に置きます。
4.ショウガのよくある生育不良|おもな病害虫
「発芽しない」「生育が悪い(ぐったりしている)」「ショウガが腐る」「フキノメイガ」などのショウガのよくある生育不良やおもな病害虫を下記にまとめています。
5.まとめ
①乾燥と過湿に弱いので、排水と保水が重要。
②有機質に富む土壌を選ぶ。
③連作を嫌うので、前作から3〜5年は空ける。
④植えつける時は芽を上にして植えつける。
⑤発芽まで1ヶ月かかるので位置に目印をつける。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。