1.トウモロコシ栽培について
トウモロコシは原産地はアメリカ大陸で、茎の先端には雄穂(雄花)、茎の中位に雌穂(雌花)がつく雌雄異花です。
また、ソルガム、ムギ類などとともにイネ科特有の強い吸肥力があり、過剰に蓄積した土壌養分を吸収して跡地の養分環境を改善することから、「クリーニングクロップ」とも呼ばれ、野菜の輪作に組み込まれていることが多いです。
トウモロコシの他の品種と一緒に植えると、花粉が交雑する恐れがあるので十分気をつけましょう。
2.トウモロコシの品種
含まれるデンプンの種類により生食用の甘味種(スイートコーン)、硬粒種(フリントコーン)、ポップコーンに用いられる爆裂種、飼料用の馬歯種(デントコーン)などに分かれます。
①キャンベラ90(黄粒種、早生で食味良好、90日で収穫可能)
②おひさまコーン(甘い食味と柔らかな食感。鮮やかな黄色の粒をつける)
③ピーターコーン(バイカラー種の元祖として定番)
④ルーシー90(白粒種、甘味が強く、柔らかな粒皮)
3.トウモロコシの育て方
土づくり
日当たりの良い場所を好み、生育適温は25℃〜30℃と高温です。
まず、種まきの2週間前に、苦土石灰を散布して良く施し、1週間前に堆肥と化成肥料を全面散布し、土とよく混ぜます。
トウモロコシは「肥料食い」の作物として知らいるほどなので、肥料は多めに施しましょう。
畝幅は80〜90cmで、条間は50cm、土壌の適正酸度はpH5.5〜7.5です。
実入りを良くするために、2列以上で作付けするのが良い(2条まき)です。
種まき・植えつけ
種まきは4月下旬〜5月下旬で、ポットまきの場合は4月上旬〜中旬の早まきが良いでしょう。
深さ2cmほどのまき穴を掘り、株間30cmで1箇所に3粒ほど種がくっつかないようにしてまきましょう。
発芽するまで乾かさないように注意し、ポットまきはポット1つに2〜3粒まき、本葉3枚くらいになったら植えつけます。
トウモロコシの種は水につけてはいけません。
発芽を良くしようとトウモロコシの種を水に浸けてしまうと、腐りやすくなって失敗してしまいます。
まく直前に種袋から出しましょう。
植え方を工夫すると収穫量が上がったり、病害虫を忌避することができます。
「お湯かけ植え」をすれば病害虫に強くなるのでぜひしてみてください。
管理
間引き
発芽して草丈10cmになったら2本に間引き、軽く土寄せをおこないます。
また、発芽不良で欠株が出ている場合は、発芽が揃っているところから、本葉2枚くらいの若いうちの根を傷めないように掘り上げて、補植します。
草丈が20cm程度になったら1本に間引きましょう。
残す株を一緒に抜いてしまわないように反対の手でしっかりと押さえながら、取る株を引き抜き、抜いた後は土を戻してならしましょう。
残す株を指で挟むようにして押さえると良いです。
追肥・土寄せ
2回目の間引きのとき、化成肥料(8−8−8)30g/㎡を株元にまき、土寄せします。
さらに草丈が伸びて、株元からわき芽が発生するころ(出穂前)に再度同程度の追肥をおこない、株が倒れない程度の土寄せをおこないましょう。
土寄せすることで、根がしっかりと張り、風などで倒れにくくなります。
水やり
土が乾くと実の肥大が悪いので、適切に水やりをします。
わき芽
トウモロコシは、根元からわき芽が出てきますが、最近の品種はほとんどが取り除かない方が良いものがほとんどです。
わき芽をとらないことで、風で倒れるのを予防し、光合成が盛んに行われるようになります。
出穂
雌花(実)は1株から2〜3本出てきますが、一番上の雌花が最初に出てきたもので、下側の雌花はほとんど実入りが悪くて粒が揃いません。
一番上の1本を残して、あとの雌花はヤングコーンとして収穫しましょう。
ヤングコーンを収穫する時は、収穫が遅れると堅くなり食味が悪くなってしまいます。
また、茎を傷めたり、葉を傷めないように気を付けましょう。
葉を取ってしまうと、光合成をする葉の面積が減ってしまいます。
開花したら株を揺らし、雄穂の花粉を雌穂にかけて受粉を促します。
開花後からの水不足には注意しましょう。
開花後から収穫までの間に水分が不足すると、実入りがまばらになる原因の一つとなるので、この時期の水管理は、慎重におこないましょう。
収穫
開花後20日〜25日が適期で、実の先端の絹糸が褐色(茶色)になったときが目安です。
収穫適期前のトウモロコシは、粒が小さく甘みがなく、逆に収穫適期を過ぎると粒がしなびたようになって糖分がデンプンになり、甘みがなくなります。
4.トウモロコシによくある生育不良|おもな病害虫
トウモロコシ栽培のよくある5つの生育不良と7つのおもな病害虫について原因と対策をまとめています。
5.まとめ
①雄穂と雌穂の出穂期を合わせる。
②受粉のため2列以上で植えつけるようにする。
③他品種を遠ざけて異品種間の受粉を避ける。
④追肥の適期を守り、肥料ぎれに注意する。(肥料が比較的多め。)
⑤わき芽は光合成をおこない、株の生長を促すので残す。
この記事では、トウモロコシの基本的な育て方についてまとめました。
下記では、100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。