野菜づくりをしていると野菜たちに様々な虫たちが集まってきます。
その中でも野菜に被害を及ぼす虫を害虫、その害虫を食べてくれる虫を益虫と言います。
益虫をうまく増やすことができれば、農薬を使わずに害虫を撃退することができます。
アブは夏の川遊びやBBQの際に現れ、人を刺す危険な虫だと思われがちです。
しかし、アブは益虫で、畑にとってはとても良い虫なのです。
この記事では、益虫として大活躍するシオヤアブ、ヒラタアブ類をまとめています。
シオヤアブの生態と益虫としての効果
◎成虫:体長約23〜28mm
◎北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布
◎幼虫が土の中で越冬する
シオヤアブ(シオヤムシヒキ)は大きなうなりをあげて飛ぶ大型のアブです。
畑にもよく飛んできて驚かされますが、何もしなければ人を刺すことはありません。
葉や枝の上でじっと待ち伏せ、ハエ、チョウ、コガネムシなどが近くを通過すると素早く飛んで背後からガッチリ捕らえ、太い針のような口を突き刺して体液を吸います。
スズメバチ類を狩るほどの獰猛さです。
シオヤアブは高さ1mくらいの草や木の葉裏などに卵を産みます。
約5日で生まれ、卵から出てきた幼虫は地面に落ちます。
幼虫は土中で、コガネムシ類の幼虫を捕食します。
土中でサナギになって越冬し、夏に羽化して活動します。
ただし、卵の期間のうちに、多くの卵に寄生蜂が卵を産みつけるので、成虫になるのはほんのわずかです。
ヒラタアブ類の生態と益虫としての効果
◎成虫:体長約10mm、幼虫:体長約10mm
◎北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布
◎成虫の姿で冬を越す
ヒラタアブ類の幼虫は、テントウムシ、アブラバチのように、アブラムシ類の天敵です。
アブラムシの近くに透き通ったウジムシがいたら、ヒラタアブ類の幼虫です。
アブラムシを次々と捕らえて体液を吸い、2〜3週間の幼虫期間中にかなりの数のアブラムシを捕食します。
成虫は、受粉を助ける益虫で、花の花粉や蜜を食べます。
ヒラタアブ類の成虫は花粉や蜜を求めて花に集まってきます。
畑にホーリーバジルやソバの花を咲かせておくと、ヒラタアブを誘引でき、アブラムシがついた野菜に成虫が産卵する確率が高まります。
産卵後3〜4日で孵化し、幼虫がアブラムシを捕食し始めます。
また、アブラムシがつくソルゴーはヒラタアブの繁殖場所になります。
おわりに
この記事では、アブ類の生態と益虫としての効果について紹介しました。
下記では、それでも病害虫が発生した場合に、化学製品にできるだけ頼らず撃退する方法として自然農薬について一覧にしてまとめています。