ナバナは春にさきがけて咲く、季節感に富む野菜で、観賞用にも良いですし、庭先の小さな菜園にも似合う、家庭菜園向けの野菜です。
この記事では、そんなナバナの育て方・栽培方法についてまとめので、ぜひ参考にしてください。
ナバナについて
ナバナは元来、旬は2〜3月でしたが、品種改良が進んで、秋のうちからとう立ちし、開花するものも生まれてきました。
一般的にナバナは育てやすいですが、冬の寒風には弱いので、北風の吹きさらす場所は避けて日当たりの良い暖かい場所で栽培しましょう。
保水力のある畑で、元肥に良質の堆肥と有機質肥料を十分に施します。
品種の特性をよくわきまえて、地域のまき時を守ることが大切で、早まきは、のちに病害が発生しやすくなるので避けましょう。
秋・冬どり:種まき8月中旬〜9月下旬、植えつけ10月中旬、収穫11月〜1月下旬
冬どり(温暖地):種まき9月中旬、植えつけ10月上旬、収穫12月〜3月中旬
大株に育つので株間を広めにとり、わき芽が混み合わないようにします。
ナバナは品種改良が進み、特徴あるものが多数あり、収穫期の異なる品種を組み合わせると、長く楽しめます。
冬華(タキイ種苗):耐寒性が強く、収穫期は年末〜年始。側枝の伸びがよく、花茎がたくさんとれる。
早陽一号(サカタのタネ):極早生種で側枝の伸びが旺盛。収穫期は年内と春の2回、どっさりとれる。
CR花かんざし(丸種):12〜2月どりに適した中早生種、花蕾はよく締まり、収穫期は年内と春の2回、どっさりとれる。
チーマ・ディ・ラーバ(トキタ種苗):イタリアのナバナで、花蕾がよく伸びる。葉や茎も含めて利用する。
苗づくり・畑の準備・植えつけ
まずは、128穴のセルトレーの1穴に4〜5粒の種をまき、5mm覆土します。
本葉2枚の頃、育ちの良いものを残して1本仕立てにします。
夏の乾燥期には水不足にならないようにします。
特に周辺部が乾きすぎないように注意しましょう。
後半、葉色が淡くなりすぎたら、水やりの代わりに所定濃度の液肥を与えます。
本葉4〜5枚の苗に仕上がったら植えつけ適期です。
次に畑の準備で、植えつけの2週間くらい前に畝全面に元肥をばらまき、クワで深さ15cmほどにすき込みます。
元肥は1㎡当たり堆肥5〜6握り、油かす大さじ5杯、化成肥料大さじ4杯です。
良い花茎をたくさん出せるには、良質の堆肥と有機質肥料を十分に施すことが大切です。
苗と畑の準備ができたらいよいよ植えつけです。
セルトレーの苗にたっぷり水やりをして、根鉢を崩さないように抜き取って植えましょう。
株間は60cm、条間は20cmです。
直まきの場合
まずは畑の準備で、種まきの2週間くらい前に畑全体に元肥をばらまき、15〜20cmの深さによくすき込みます。
元肥は、1㎡当たり、堆肥5〜6握り、油かす大さじ5杯、化成肥料大さじ3杯の量を施しましょう。
畑の準備ができたら種まきで、クワ幅より広めのまき溝を作り、種をまいて溝全面にばらまき、厚さ1cmくらいに覆土します。
間引きは2回に分けておこないます。
1回目は本葉2枚の頃、7〜8cm間隔に間引きします。
2回目は本葉5〜6枚の頃、最終株間の20cm間隔にします。
追肥
育苗の場合
追肥は何回もおこなっていきます。
1回目は草丈10cmの頃、畝の中央に列状にばらまき、土に軽くすき込みます。
2回目以降は半月に1回ぐらい、畝の両側に列状に施し、軽くすき込みながら土寄せします。
追肥の量はいずれも油かす大さじ1杯、化成肥料小さじ1杯程度です。
直まきの場合
こちらも育苗の場合と同様に追肥は何回もおこなっていきます。
1回目は第2回の間引き後に溝の長さ1m当たり化成肥料小さじ2杯程度追肥します。
2回目以降は半月に1回程度、溝の長さ1m当たり化成肥料大さじ2杯程度追肥します。
摘心・下葉かき・収穫
最初にとう立ちした茎は開花前に切り取りましょう。(摘心)
そうすることで勢いの良いわき芽をたくさん出させることができます。
あまり高いところで切ると、側花蕾数が多くなりますが細くなり、低いと側花蕾数が少なくなり減収します。
生育中期以降になると、株元付近の葉が混み合って、病葉や枯れ葉が出てきます。
これらはかき取り、通風と採光を図ります。(下葉かき)
花蕾が大きくふくらみ、開花直前になったら、茎葉ごと摘み取ります。
主枝の収穫に適当な長さは15〜20cmで、とり遅れないように注意しましょう。
ナバナは収穫適期の見極めがとても大切です。
早どりはせず、花蕾が大きくふくらむまで待って収穫します。
しかし、少しでも開花してからでは収穫遅れにもなるので注意です。
おわりに
ナバナは病害虫が比較的多い野菜で、苗床や植えつけ後の生育初期は防虫ネットまたはべた掛け資材を掛けて、アブラムシやコナガなどの飛来から守ります。
また、植えつけ後から収穫盛期はアブラムシやコナガ、白斑病、黒斑病などの防除を怠らないようにしましょう。
景観用にもとても良いナバナ、一度育ててみてはいかがでしょうか。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法をまとめています。