害虫一覧

センチュウの生態と被害、防除・駆除の方法【決定版】|スイカなど

1.センチュウの被害

線虫の被害

センチュウ(線虫)は線形動物の総称で、土の中ならどこでも棲んでいます。

植物寄生性のセンチュウが口にある針で野菜の根に穴をあけて中に侵入します。

根がセンチュウに寄生された植物は、草丈の短小葉色の減退・しおれ枯れ上がりといった症状を示し、成長が遅くなったり、収穫量が減少したりします。

被害にあった植物の根を観察すると、ネグサレセンチュウでは根の腐敗が、ネコブセンチュウではコブ根や根の分岐、寸づまり、シストセンチュウでは卵がつまった袋(シスト)が形成されます。

また、マツノザイセンチュウはマツの幹に寄生して、樹を枯らし、ハガレセンチュウは葉に寄生して葉を枯らします。

メセンチュウは生長点に寄生して芽のすくみや葉の縮れ、子実(果皮の中の果実)が褐変します。

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マメ科の根にもコブがつくことがありますが、これは「根粒菌」によるもので、根粒菌は空気中の窒素を固定し、野菜が利用できるようにする力があります。

2.センチュウが発生しやすい野菜・植物一覧

クレマチス、ペチュニア、トマト、オクラ、ゴボウ、人参、ボタン、キク、スイカ、メロン、ピーマン、ナス、サツマイモなど

3.センチュウの生態

センチュウの生態

種類によって様々ですが、ネコブセンチュウの場合、メスの成虫があちこちの根の表面付近にゼリー状の大きな塊を尾端から出し、その中に産卵します。

孵化した幼虫は土の中を移動し新しい根の組織内に侵入します。

侵入したセンチュウの排泄する刺激物質により、根の細胞が異常分裂を起こし、コブが形成されます。

また、連作をするとセンチュウ密度が高くなり、野菜に被害が出やすくなります。

ウリ科、ナス科などを栽培するとネコブセンチュウ密度が上がります。

ネグサレセンチュウは大根や人参を作ると増えやすくなります。

シストセンチュウは卵が土ぼこりと一緒に飛んで広がります。

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農具や靴に付着して広がる場合もありますよ。

4.センチュウの防除・対策

センチュウに代表される土壌病害虫はかかってしまうと薬剤散布の効果もあまり上がらず厄介なため、発生を防ぐことを意識しましょう。

とにかく、土壌病害虫のいない土壌、寄せつけない土壌にすることが最良の予防法です。

鉢で栽培する場合でも、古い土を使う場合は太陽光にさらして乾かし、土壌消毒をした土を使用します。

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また同じ場所で連作をすると被害を受けやすいので注意しましょう。

同じ科や同じ種類の野菜は、3〜5年ほど栽培期間を空けると良いでしょう。

センチュウの密度が上がる野菜を栽培するときは、センチュウ退治に役立つ植物を混植したり輪作や間作に加えて密度を下げたりするようにしましょう。

ネコブセンチュウ類はマリーゴールドクロタラリア、ネグサレセンチュウは落花生ソルゴーなどを作ると減少します。

シストセンチュウ類は、クローバー類を育てると増加を防いでくれます。

雌の成虫はクローバー類の根に侵入すると成長できなくなるからです。

植物を加害する寄生型センチュウの他に、善玉の自活型センチュウもいて、自活型を増やすと、寄生型の増加が抑えられます。

自活型は乳酸菌を餌にするため、米ぬかをすき込んで3〜4週間放置すると増やすことができます。

5.センチュウ駆除の方法

発生したら

センチュウ類を見つけて捕殺することは難しく、被害を受けても栽培中はなかなか気づくことができませんのでやはり予防が大切です。

被害が出たときは、アブラナ科をつくり、残渣をすき込むと3種類のセンチュウ密度を下げることができます。

もしくはキャベツやブロッコリーを輪作に組み込むと良いでしょう。

シストセンチュウの卵は丈夫なので何年も土の中に残りますが、徐々に密度は下がっていきます。

効果のある薬剤・農薬

トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、ニンジン、スイカ、メロン、サツマイモなどのネコブセンチュウ防除には、種まきや苗を植える前に、ネマトリンエース粒剤を土に混ぜ込みましょう。

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おわりに

この記事では、センチュウの被害・生態・防除方法について紹介しました。

下記では、他にも様々な野菜の病気・害虫を一覧にしていますので。コチラもあわせてご覧ください。