1.チンゲンサイのよくある生育不良
とう立ちした
チンゲンサイは元来低温で花芽が分化し、長日条件でとう立ちする性質を持っています。
とう立ちしたのは苗づくりしている期間に低温条件に置かれたことが原因です。
苗床で夜間の温度を15℃以上くらいに保つようにすれば、とう立ちは起こらないのが普通ですが、早まきでは畑に植えつけたあと、時折低温下に置かれたり、生育が遅れたりすると、保温していたつもりでもとう立ちすることがあります。
苗床での温度管理と、トンネル栽培では保温管理を確実にすればとう立ちはしませんが、それとともに、とう立ちがおそく、生育の早い品種として改良された良い品種を選ぶようにすることが大切です。
青美チンゲンサイ、青帝チンゲンサイなどがそれです。
桜の花が咲き終わってからまくようにすれば、どの地域でもとう立ちはほとんど問題にはなりません。
葉が灰色になって枯れる
カビが原因の炭そ病が考えられます。高温多湿で発病しやすく、7〜9月には特に注意が必要な病気です。
病原菌は放置した野菜くずや雑草などに潜み、雨や風によって広がります。
菜園きれいに片付けることが大事です。登録農薬はないので、発病したら菜園の外に持ち出して処分してください。
移植したが大きくならない
野菜の中には、移植栽培のできるものとできないものがあり、また、移植によるダメージが大きいものと小さいものがあります。
大根、人参などの直根類は移植不可、直まきでしか育ちません。
移植可能な野菜のうちでも、キャベツやブロッコリーなどは移植によく耐えますが、チンゲンサイや小松菜は弱いです。
したがってこの場合は、植え傷みが原因と考えられます。
間引きの際に根が切断されて、植え直して新しい根が伸びる前に生育が中断してしまったのでしょう。
移植をするには、できるだけ根を切らないように、周囲から大きく掘り上げるようにします。
また、株の大きさによって受けるダメージも異なり、双葉から本葉1〜2枚程度の小さな苗は比較的活着が容易です。
高温期や乾燥期の移植も、株を傷める原因となります。
株元が張らない(十分生育しない)
チンゲンサイは、最低株間が10〜15cmは必要です。
1回目の間引きは双葉が開いたころ3〜4cmに、2回目は本葉が2〜3枚のころ10〜15cmに間隔をあけながら育てます。
株間が狭いと十分生育しません。また、2、3回目の間引き時に追肥を行い、生育を助けます。
よい形にならない
チンゲンサイは冷涼な気候を好みますが、夏も栽培できます。
高温下の栽培では尻部の節間が伸び、張りが少なくほっそりした形になります。
節間の伸長は低日照下でも起きるので、栽植密度(畝間と株間)にも注意が必要です。
また、秋冬期に畑に長く置くと、茎の基部の白いところが厚くなり、ずっしりしますが、筋張った食感になり食味も落ちます。
適正な形で育てるには、きちんと間引きをして株張りのスペースを作ります。
特に春は葉が混み合わないように、早めの間引きが大切です。
巨大化する
チンゲンサイはとり遅れると、株が老化してすが入って、味も歯ごたえも台なしです。種まきから約45〜50日が収穫適期です。
2.チンゲンサイのおもな病害虫
温度が高い時期、アブラナ科に発生する害虫がつくので、発生したら農薬散布して防除します。
また、アブラナ科を連作している畑で出やすい根コブ病は、春まきより秋まきの方が出やすいので、心配される畑ではしっかり根コブ病対策を行います。