野菜づくりをしていると野菜たちに様々な虫たちが集まってきます。
その中でも野菜に被害を及ぼす虫を害虫、その害虫を食べてくれる虫を益虫と言います。
益虫をうまく増やすことができれば、農薬を使わずに害虫を撃退することができます。
テントウムシは益虫です。
この記事では、益虫として大活躍するテントウムシ類の種類をまとめています。
最後には、テントウムシによく似た害虫であるテントウムシダマシについてもまとめていますので、是非参考にしてください。
1.ナナホシテントウ
生態と益虫としてもたらす効果
◎成虫:体長約5〜8mm、幼虫(終齢):体長約10mm
◎北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布
◎幼虫の期間は約20日で、さなぎになる直前には、食欲が一気に増して食べる。
◎成虫の姿で越冬する
ナナホシテントウは、幼虫も成虫も、様々なアブラムシを捕食します。
1日に幼虫は20匹、成虫は50〜100匹のアブラムシを食べまくり、野菜のアブラムシ被害を抑えてくれます。
成虫の寿命は約2ヶ月で、年に3〜4回世代交代します。
アブラムシが増える4〜6月に活動が盛んになり、アブラムシが少なくなる真夏の高温期には草の根元や敷き草の下などで夏眠します。
9月になって涼しくなると活動を再開し、アブラムシを食べ始めます。
増やし方
ナナホシテントウが卵をたくさん産むには、エサとなるアブラムシが必要です。
畑の周囲にソルゴーを植えてアブラムシが常時いる環境をつくって、ナナホシテントウを養いましょう。
こうすれば、畑の野菜にアブラムシがついても、ナナホシテントウが出動してキレイに食べてくれます。
秋に生まれた成虫は草の根元などに潜り込んで2〜3匹で越冬します。
冬期に畑をすべて裸にせず一部に草を残しておくか、刈り草や野菜の残渣を山積みにして越冬しやすそうな場所を用意しておきましょう。
2.ナミテントウ
生態と益虫としてもたらす効果
◎成虫:体長5〜8mm、幼虫(終齢):体長約10mm
◎北海道、本州、四国、九州に分布
◎成虫の姿で越冬する
◎模様のバリエーションには様々なものがある
ナミテントウはナナホシテントウよりも畑で多く見かけるテントウムシの仲間です。
模様のバリエーションが多いのが特徴で、模様が違っても交尾して産卵することができます。
生態はナナホシテントウと似ていて、幼虫も成虫も野菜についたアブラムシを食べる益虫です。
真夏の高温期には夏眠し、冬は成虫の姿で集団越冬するのが特徴で、石の裏などの隙間に数十匹から数百匹が集まります。
増やし方
ナナホシテントウ同様、ナミテントウがお腹を減らさないよう、ソルゴーの障壁をつくってエサであるアブラムシを用意します。
また、カモミールやマリーゴールドなどのハーブ類などを畑に咲かせておくと、テントウムシ類を引き寄せる事ができます
蜜はアブラムシが少ない時のテントウムシ類の非常食になります。
3.ヒメカメノコテントウ
生態と益虫としての効果
◎体長3〜5mmの小型のテントウムシ
◎北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布
ヒメカメノコテントウは上記のナミテントウ、ナナホシテントウと同様、野菜につくアブラムシを捕食してくれます。
薄い黄色地に黒の斑紋が特徴のテントウムシで、小柄ながら1日にアブラムシを50匹以上食べます。
活動は、3〜11月で、害虫であるハダニも食べてくれます。
ヒメカメノコテントウには斑紋がないタイプもあります。
4.その他
キイロテントウ
キイロテントウは、アブラムシやハダニなどを捕食するのではなく、成虫も幼虫もうどんこ病などの菌類を食べる菌食タイプのテントウムシです。
成虫は体長4〜5mmくらいで、本州から沖縄に分布、4月〜10月に活発に活動します。
シロホシテントウ
シロホシテントウもキイロテントウと同様、菌食系のテントウムシでうどんこ病などの菌類を食べてくれます。
体長は3〜5mmくらいで、北海道から九州に分布し、4月〜11月に活動します。
おわりに
この記事では、害虫を食べてくれる益虫であるテントウムシの一覧と益虫としてもたらす効果をまとめました。
しかし、テントウムシによく似た害虫もいます。
ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)です。
テントウムシに似ていることからこの名前がつきました。
ジャガイモやナスなどのナス科の野菜に発生し、食害します。
テントウムシによく似ているので注意しましょう。
下記では、テントウムシに似た害虫ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)について生態や対策などをさらに詳しくまとめています。
ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)を見つけてしまった方は、ぜひ参考にしてください。
下記では、それでも病害虫が発生した場合に、化学製品にできるだけ頼らず撃退する方法として自然農薬について一覧にしてまとめていますので、ぜひこちらも参考にしてください。