チコリはほろ苦さが魅力の西洋野菜で、色白の上品な姿から「野菜の貴婦人」とも呼ばれており、葉を1枚ずつサラダやオードブルに使うことができます。
この記事では、そんなチコリの育て方・栽培方法についてまとめています。
チコリについて
寒冷地:種まき5月中旬〜6月中旬、軟化:9月中旬〜10月下旬、収穫10月下旬〜12月中旬
温暖地:種まき6月中旬〜7月中旬、軟化:11月上旬〜下旬、収穫12月上旬〜1月下旬
チコリの葉は細長く立性で、緑葉は苦みが強くてそのままでは食べれませんが、軟化栽培をすると結球状になり、苦みがほどよくなります。
充実した良い根株を得るためには、排水の良い畑を選び、良質な堆肥を十分に施すことが大事です。
畑に種をまき、根株を養生して小型の大根くらいに育てます。
晩秋に地上部を刈り取り、根を傷つけないように根株を掘り上げ、根株は乾かして貯蔵し、必要なときに軟化処理をします。
軟化の適温は15〜20℃で、低温期には電熱利用が必要です。
品種の分化はあまり進んでおらず、数は少ないですが、栽培しやすく改良されたF1品種が入手可能です。
チコリーF1ポルシェOG(藤田種子):歯ざわりと上品なほろ苦さが特徴。甘みと苦みのバランスが絶妙。
畑の準備・種まき
種まきの半月以上前に全面に石灰と堆肥を施し、20cm以上の深さによく耕しておきます。
堆肥を施す量は、1㎡あたり石灰2〜3握り、堆肥4〜5握りです。
充実したよい根株を育てるために、畑には良質の堆肥を多めに施し、排水をよくして栽培します。
そして、種まきの2週間くらい前に堆肥や油かす、化成肥料などを入れて準備します。
種まきは、底面をクワできれいにならしてから、2cm間隔でまんべんなく種をばらまきます。
種が見えなくなる程度に薄く、手で丁寧に覆土します。
間引き・追肥
間引き・追肥は3回に分けておこないます。
1回目の間引きは本葉2枚の頃に株間が4〜5cmくらいになるようにおこない、間引きの後に追肥をします。
化成肥料を畝の長さ1mあたり大さじ3杯程度まいて、クワで軽く耕しながら畝に寄せあげます。
2回目の間引きは、追肥の量は1回目と同じで間引きの後に、本葉3〜4枚の頃に株間が7〜8cmくらいになるようにおこないます。
3回目の間引きは、追肥の量は1回目と同じで間引きの後に、本葉5〜6枚の頃に株間が15cmくらいになるようにおこないます。
間引きを入念におこない、十分な株間を与え、肥切れさせないようにし、充実した根株を育てます。
軟化栽培
晩秋に地上5cmほどのところで茎葉を刈り取り、作業しやすくします。
前述した通り、緑葉は苦みが強くてそのままでは食べれません。
ここから軟化栽培をおこなうことで、結球状になり、苦みがほどよいものになります。
茎葉を刈り取ったら、根を傷つけないように丁寧に根株を掘り起こします。
腐らせないように屋内で貯蔵乾燥しておき順次、軟化させていきます。
0℃の貯蔵庫内なら完璧で、長い間貯蔵できます。
霜が降りるまでは畑に置き、2日ほど霜にあった頃に掘りとるようにしましょう。
軟化床(箱でもよい)を作って、必要量だけ逐次根鉢を立てて伏せ込みます。
粗い土で根を囲いながら7〜8cm間隔に根鉢を伏せ込むようにします。
軟化床の温度は15〜20℃に保つように、ビニールなどで覆って保温します。
穴蔵やハウスの中が一番温度を保ちやすいです。
季節や軟化場所によって、伏せ込み期間は大きく変化します。
軟化開始後3〜4週間たち、萌芽がして軟化結球したチコリの丈が12〜13cmくらいに伸びた頃に掘り出します。
根っこの部分はきれいに切り落としましょう。大きくてよく締まっているものが良品です。
収穫までの日数の目安は、適温が得られれば約20日です。
おわりに
チコリは追肥や間引きをこまめにおこない、茎葉が生い茂る頃、茎葉は食べずに根株を軟化させ軟化結球したものを収穫する、というなかなか手間のかかる野菜です。
上級者向けの野菜ですので、比較的簡単な野菜を育てるのに飽きてしまった方は一度育ててみてはいかがでしょうか。
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