実践記録|コラム

モグラのからだは?習性は?すみかは?冬眠はする?【永久保存版】

モグラは家庭菜園をしている人にとっては畑を荒らし野菜を台無しにする憎き大敵だと思っている人が多いのではないでしょうか?

しかし、実はモグラはそもそも野菜は食べません。食べるのは、ミミズネキリムシなどです。

モグラの被害に困っている人は、まずはモグラの生態についてしっかりと理解することが大切です。

この記事では、

①モグラのからだ

②モグラの性格、習性

③モグラのすみか

3点に分けてモグラの生態について徹底解説しています。

また、この記事の最後にはモグラについての関係書籍も紹介していますので、あわせてご覧ください。

1.モグラのからだ

モグラのからだ

モグラは、身体能力がとても高く、腹筋や背筋、後ろ足で踏ん張る力がとても強いです。

寿命は3〜5年で、年に1回、春か秋に3〜6匹の子どもを生みます。

実は、モグラはほとんど目が見えません。と言うよりそもそも目が塞がっています。(海外のモグラには目が開いているものもある)

しかし、どちらにせよ、視力はほとんどなく、光を当てても何も反応がないことから光の情報を脳が知覚できないのではないかと言われています。

モグラが住んでいる世界は土中でまさに「真っ暗」な世界なので、そこまで光が届かない世界では、目は必要ないのです。

また、モグラは目が見えない代わりに、嗅覚がとても鋭いです。

嗅覚が鋭いことを利用してモグラ対策を実施している農家さんもいます。(ニンニクを植えるなど)

豚のように尖った鼻をもち、エサによるミミズや幼虫を探します。

モグラは野菜を食べると思われがちですが、実はそうではなく肉食の動物です。

鋭い牙をもち、ミミズコガネムシの幼虫ネキリムシヨトウムシなどを食べます。

大きくて爪の長い前足が外向きについていて、人間が平泳ぎをする時のように、前足を前に伸ばして後ろへかくようにして、土を掘ったり、移動したりします。

また、水辺に出たモグラは上手に泳ぐことができます。

モグラの体毛はすごくキレイで毛並みも揃ってて、特徴的なのは、その短くて軟らかい体毛が直角に立っていることです。

その理由は、トンネル内ですばやく前進し、後進でも同じスピードを出せるようにするためです。

2.モグラの性格、習性

モグラの習性

モグラは大食漢

モグラの性格で一番の特徴といえば、それは「大食漢」と言うことです。

一日に食べるエサの重さは体重の半分くらいで、100gのモグラなら50gを食べます。

と言うことは、60kgの人間であれば、およそご飯200杯分も食べると言うことです。水もたくさん飲みます。

穴掘りには相当なエネルギーが必要ということです。

ちなみに、モグラのイラストはサングラスをかけていることが多いです。

これは昔の人にとってモグラは光に弱いというイメージがついていたからなんですが、その理由は、モグラを捕獲した時にその罠を見にいくと大抵モグラが死んでいるからです。

モグラは12時間何も食べないだけで死んでしまいます。

なので、罠にかかって捕獲し、それを確認した時には死んでいた場合が多かったので、昔の人は「モグラ=光に弱い」という認識だったと言われています。

(現にモグラは光の情報を脳が知覚できないのであながち間違ってはいませんが‥)

生活周期は8時間、冬眠はしない

モグラは12時間何も食べないと死んでしまうので活動と睡眠を8時間周期で繰り返します。

一旦睡眠に入ると死んだように爆睡します。

また、活動中でもお腹がいっぱいになるとミミズを口に加えたまま寝ることもあります。

また、モグラについてよくある質問で「モグラは冬眠しますか」というのがありますが、モグラは冬眠しません。 一年中活動しています。

雪の下でもミミズなどを食べるため活動しますが、冬季はミミズも地中深くに潜るため、夏季よりも深い通路を巡回してミミズを食べています。

縄張り意識がとても強い

2匹のモグラが鉢合わせになると、どちらかが逃げ出すか、死ぬまで喧嘩します。

縄張りの範囲は有機物たっぷり、エサいっぱいの畑では狭くなり、わずか5aで6、7匹いることもあります。

3.モグラのすみか

モグラのすみか

モグラは深さ50cmまでの範囲で生活しています。ただ、深さは50cmですが、長さとなると、1匹のモグラが暮らすトンネルの長さは70〜300mとも言われています。

モグラはまず、で寝たり、子育てしたりします。巣は比較的深い位置にあり、ハンドボールくらいの大きさの丸い形をしており、その中には、たくさんの枯れ葉が敷き詰められています。

よくモグラ撃退グッズに書かれてある「本道に設置してください」の「本道」とはモグラが掘ったトンネルで、その中でも、モグラの巣に通じるトンネル(幹道)、毎日見回りに使うトンネル(生活道)のことを指します。

幹道は、モグラの巣に通じるトンネルで、地面から深さ40〜50cmの位置にあり、モグラは確実に通るので、ワナを仕掛けると捕獲できますが、深いので設置は難しいです。

生活道は、毎日見回りに使うトンネルで、エサを探したり、トンネルの補修工事をしたりしています。ここも本道なのでここにワナを設置すれば、捕獲できることが多いです。

この他にも、探餌道(たんじどう)というトンネルがあり、ここは、エサを探すために掘ったトンネルで、一度しか使われないことが多くて、行き止まりも多いです。

ここにワナを仕掛けても通る確率が低いので、捕獲できる確率も下がります。

4.モグラの生態の本の紹介

モグラは地中に潜り、捕獲された頃には死んでしまっていることが多く、なかなか実態を完全に解明されている、というわけではないようです。

ですので、関連書籍も多くはありませんが、モグラの生態について詳しく書かれている本を厳選して3つ紹介します。

まず一つ目は、「おもしろ生態とかしこい防ぎ方 モグラ」です。

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こちらは、筆者がモグラのトンネルを探して捕獲して、飼育してみる経験を通じて気づいたこと、分かったことなどが詳しく書かれた本です。

捕獲の失敗談や飼育して初めて気づいたことなどが細かく書かれているので、近所のモグラを捕まえて飼育した人に話を聞きにいく、みたいな空気感でサラサラっと読めます。バクっとモグラについて理解したい方にオススメです。初級者向けですね。

次に二つ目は、「モグラ博士のモグラの話」です。

こちらは、モグラの生態について一つ目に紹介した本よりもさらに詳しく書かれてあり、形態分析や、染色体・DNA分析などの視点を用いてモグラの生物的な歴史の変遷やモグラの骨格などについて、より専門的に解説しています。中級者向けです。

最後にオススメするのが「現代農業2018年5月号」です。

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かなり前の雑誌なので、入手困難の可能性はありますが、一応紹介します。

現代農業がモグラやネズミなどについて解説しているバックナンバーで、こちらもザクっとモグラの生態について一通り理解することができます。

また、この本の良いところは農家のみなさんがモグラ対策として実践されていることが詳しく何例も載っていることです。そういった実践的な内容が気になる方はこちらの本もオススメです。

5.おわりに

今回は、モグラの生態について詳しくまとめました。特に勘違いが

多いのがモグラは野菜は食べない、ということです。

家庭菜園をされている方はよく、「モグラにやられた」と言いますが、モグラは野菜を食べないです。

ただ、モグラがトンネルを掘ることで、根が傷んだり、トンネルをネズミが通り野菜が食べられる、ということがあります。

いずれにせよ、モグラに困っている人は、まずはモグラの生態をしっかり理解し、その上で、モグラ対策を行うことが大切です。