ワケギはネギよりも穏やかな香りと上品な風味があり、薬味やつまものにと用途は多彩ですし、繰り返し収穫できるので重宝します。
この記事ではそんなワケギの育て方・栽培方法についてまとめています。
ワケギについて
ワケギはネギとタマネギの自然交雑によってできた雑種第一代で、よく分げつし、細い根が多数伸びるのが特徴です。
とう立ちせず、花もつかないので、栄養繁殖で種球を用いて栽培します。
多く分げつするネギをワケギと呼ぶ地域もありますが、それとは別種です。
元肥や追肥を施しておけば、特別な管理をしなくても十分に育ちます。
とくに秋から春にかけて盛んに育ち、5月に入ると葉が枯れ、球(鱗茎)をつくって夏までに休眠に入りますので、種球は、休眠が覚めた頃畑に植えましょう。
露地栽培(早生種):植えつけ7月下旬〜8月下旬、収穫11月中旬〜4月中旬
露地栽培(晩生種):植えつけ9月、収穫12月下旬〜4月下旬
ワケギはネギに比べて耐暑・耐寒性は弱くて、寒冷地には不向きで、おもに関東以西の温暖地向きです。
多くのタイプがありますが、品種として成立はみられません。
長崎大玉わけぎ(八江農芸):育ちがよく、作りやすいワケギ。生育は極めて早く、40〜50日で草丈30〜40cmになる。球は淡褐色を帯びた大玉で、香りがよく様々な料理に好適。植えつけの適期は、8月下旬〜9月上旬。
台湾わけぎ(タキイ種苗):通常のワケギと異なり、休眠しにくい性質を持つ。霜の心配がなくなった3月下旬〜9月に植えつければ、1ヶ月ほどで収穫がスタートできる。
種球の準備・畑の準備・植えつけ
まずは、種球の準備でm今年初めてわけぎ栽培をする場合は、市販の種球を購入しましょう。
前年から育てている場合は、育てている苗から種球を準備しましょう。
育てている苗から種球を準備する場合は、5月頃になると株元に球を形成し葉は枯れて休眠に入るので、休眠したものを掘り上げて風通しの良いところで夏まで貯蔵しておきます。
10球ずつくらい束ねて風通しの良い日陰に吊るしておきましょう。
7〜8月になると芽が伸び始めます。外側の枯れた皮を取り除き、2〜3球ずつに分けると、種球の準備は完了です。
種球は休眠から覚め、少し芽が伸び始めた頃に、2〜3球ずつに分けて植えつけます。
種球の準備ができたら、次は畑の準備で、植えつけの2週間くらい前に1㎡当たり油かす大さじ5杯、化成肥料大さじ3杯を施しましょう。
深さ20cmにすき込み、畝を形作ります。
種球の準備と畑の準備ができたらいよいよ植えつけです。
1カ所に2〜3球ずつ、球根を指先でつまんで土中さしこみます。葉先が少し地上に出るくらいの深さに植えつけましょう。
追肥・収穫
追肥は何回にも分けておこないます。
1回目は丈が15cmくらいの時に、畝の長さ1m当たり油かす大さじ2杯、化成肥料大さじ1杯を列間にまき、軽く土に混ぜます。
2回目以降は、1回目から半月後におこない、畝の長さ1m当たり化成肥料大さじ1杯の量を軽く溝を掘って施し、畝に土を寄せましょう。
その後は適宜追肥していきます。
収穫の方法は、状況に応じて、抜き取り収穫と刈り取り収穫を使い分けましょう。
後作の計画がある場合は、草丈20cmくらいに伸びたら抜き取って収穫します。
連続して収穫したい場合は、下の方を3〜4cm残して刈り取ります。
刈り取り収穫後は水やりを兼ねて液肥を与え、新葉の出を促します。
化成肥料を少々与えて、水やりをしていると、3〜4日で新芽が伸び始めますので、再び葉が伸び始めたら刈り取りましょう。
再生力が旺盛で刈り取った後から新芽が伸び始めてくるので繰り返し4〜5回収穫・利用します。
プランター栽培の場合
ワケギは手間がかからず栽培も容易なので、プランター向きの野菜で、ベランダなどで栽培しておくと、欲しい時にすぐ収穫できるので便利です。
幅60cm程度のプランターに鉢底石(または赤玉土)を2cmほど入れます。
その上に野菜用培養土を入れます。株間は7〜8cmに、1カ所3〜4球の密植とします。
深さは先端が少し上から見える程度です。水やりと追肥(液肥)で育てます。
草丈20cmになったら株元2〜3cmを残し、順次刈り取って収穫し、列を交互に収穫し、日の当たる方に小さいワケギが向くように、プランターの位置を変えましょう。
おわりに
ワケギは初めて育てる場合は、種球を購入する必要がありますが、一度植えるとその苗からできる種球を使うことができるので、毎年継続して栽培することができます。
暖かい地方であれば特に失敗することは少ないのでぜひ一度育ててみてがいかがでしょうか。
この記事では、ワケギの基本的な育て方・栽培方法についてまとめました。
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