シロウリはとりたての果実を漬け物にして、独特で爽快な味と香りを楽しみむことができ、糖ののらない熟果は三杯酢にすると美味しいです。
この記事では、そんなシロウリの育て方・栽培方法についてまとめています。
シロウリについて
シロウリは高温性で夏の暑さには強く、強光を好み、乾燥にも耐えますが、低温には弱く、15℃以下では生育不良となります。
露地栽培では、収穫期間を長くするためにトンネル保温をします。
寒い地方や高冷地では温度不足のために、露地栽培は困難です。
トンネル栽培:種まき3月下旬、植えつけ4月下旬、トンネルがけ4月〜5月、収穫6月中旬〜8月
露地栽培(育苗):種まき4月、植えつけ5月、収穫7月〜9月中旬
露地栽培(直まき):種まき5月中旬〜下旬、収穫8月〜9月中旬
土質に対する適応性の幅は広く、砂質土壌から粘土質土壌まで、いずれの土質でもよく育ちます。
排水さえよければ、地下水位の高い畑でも栽培できますが、連作障害を防ぐために、3〜4年は休閑させましょう。
雌花は孫づるに多くつくので、勢いの良い孫づるを発生させるために、親づる、子づるを適切に摘心します。
雌花がついたら、その先も入念に摘心しましょう。
また、シロウリの形をよくして、土の跳ね上がりを防ぐために、敷きワラをしましょう。
シロウリは、地域により好みが異なりますが、奈良漬け用、浅漬け用などの用途別の好適品種があります。
さぬき白瓜(タキイ種苗):性質強健で、長さ約23cmの実が次々となる。浅漬けに向く。
青大長縞瓜(タキイ種苗):耐暑、耐寒性があり、作りやすい。果肉は柔らかで歯切れがよく、浅漬けに向く。
白はぐらうり(サカタのタネ):メロンの仲間だが甘味が少なく、漬物向き。
青はぐら(トキタ種苗):肉厚で柔らかく、浅漬けにすると美味しい。露地栽培に向く。
苗づくり・畑の準備・植えつけ
まずは、苗づくりからで、3号のポリ鉢に種を3〜4粒まきます。
4〜5月の育苗はトンネル掛けをし、あわせてポットの上に新聞紙やビニールフィルムなどをかぶせるのも良いでしょう。
トンネル掛けした場合は、日中は30℃以上にならないように換気に注意し、夜はむしろなどで保温し、15℃以上に保ちます。
発芽して本葉が一枚になった頃に、間引いて1本仕立てにし、本葉4〜5枚の苗に育てて、畑に植えつけます。
もちろん、市販の苗を購入し、準備しても良いです。(あまり出回っていませんが)
苗の準備ができたら、次は畑の準備で、植えつけの2週間くらい前に元肥を施します。
元肥の量は、溝の長さ1mあたり堆肥5〜6握り、油かす大さじ6杯、化成肥料大さじ4杯程度です。
良質な元肥をしっかり施すことで、勢いの良い子づる、孫づるが出るようになります。
苗の準備と畑の準備ができたらいよいよ植えつけです。
株間120cmで植えつけていきましょう。
トンネル栽培の場合、30℃以上にならないように裾をあけて換気しましょう。
摘心(親づる)・追肥・敷きワラ
植えつけた後、盛んに伸びてきたら、本葉5〜6枚を残してその先を摘み、また、勢いの弱い子づるも取り除きましょう。
追肥は2回に分けておこないます。
1回目は、つるが盛んに伸び出した頃、畝の片側に、畝の長さ1m当たり化成肥料大さじ4杯程度追肥し・土寄せし、その後に敷きワラをしましょう。
2回目は子づるが畝から外へ伸び出した頃、第1回目の反対側に1回目と同じ量を施し敷きワラしましょう。
整枝・摘心(子づる、孫づる)・収穫
つるが盛んに伸び出したら整枝をしっかりしていきましょう。
株元から2〜3節の孫づるを摘みます。孫づるは本葉2枚と雌花を残して、その先を摘み取ります。
雌花(⇨果実)は孫づるにつくので、摘心を入念にし、つるが混み合わないように誘引し、配置することがとても大切です。
開花後15〜20日以上たち、利用しやすい大きさに育ってきたら、順次収穫します。できるだけ朝早く、シロウリ自体の温度が上がらないうちにおこないましょう。
よくある育て方の質問
育て方の基本は?
苗はあまり市販されていないので、良い品種の種子を購入して育てるのが基本です。
4月上旬ごろ、3号のポリ鉢に種をまき、ビニールトンネルで覆って保温します。
本葉4〜5枚になったら畑に定植しましょう。
植えつけ間隔は、畝間160cmとやや広めにとって、子づる4本を両方に振り分けて配置する必要があるため、株間は120cmにします。
シロウリは孫づるに実ができる性質があるので、整枝は丁寧におこないましょう。
元肥には堆肥をなるべく多く使って、油かすと化成肥料、乾燥牛ふんを与えると良いです。
多くの孫づるをそろって出させ、これに着果した果実をそろって大きくさせることになるので、最後まで肥料は切らさないようにしましょう。
追肥は畝の両側に溝状に与えていきます。
シロウリのつるの勢いが弱い時は、さらに孫づるの摘心の時に、つるの間に点々と化成肥料を与えて、肥料切れを防ぎましょう。
つるばかり伸びて、あまりシロウリができない
シロウリは、他のウリ類と同様に雌雄異花で、雌花のつき方をよくするために、入念な整枝が必要です。
シロウリの場合は、孫づるの1〜2節目に雌花をつける性質があるので、孫づるがシロウリの果実をつける枝にということになります。
この孫づるをそろって発生させることが大切になってきます。
そのためには、まず、親づるは本葉5〜6枚で摘心して勢いの良い子づるを4本残して、他はつけ根から取り除きましょう。
子づるは10節くらいで摘心し、出てきた下から2〜3節の孫づるは摘み取ります。
残った孫づるは本葉2枚残して先端を早いうちに摘心し、これについた雌花の発育を促します。
このように整枝を入念にして、肥料をしっかり与えて入れば、1株当たり十数個のシロウリを収穫することができますよ。
おわりに
シロウリは2つに割ってスプーンなどでワタを出して、塩で下漬け、日陰で乾かしてから酒粕やミソを使って漬物を作ったり、果実が柔らかくなるまで待って、熟果で収穫し、3杯酢で楽しんだり、その用途は様々です。
ぜひ一度、シロウリを育ててみてはいかがでしょうか。
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