カイランはキャベツの仲間で葉はキャベツに似ますが、早くから茎が伸びて花をつけます。
高温に強く、夏の青ものとして魅力的です。
この記事では、カイランの育て方・栽培方法についてまとめています。
カイランについて
カイランはキャベツの仲間ではもっとも高温性で、盛夏でも比較的簡単に育てることができます。
なので、4月中旬〜8月下旬まで種まきができます。
露地栽培:種植え4月中旬〜8月中旬、植えつけ5月中旬〜9月上旬、収穫6月中旬〜11月上旬
育苗して栽培する方が、良いものがそろって収穫できますが、畑に直まきして育てることも可能です。
夏の育苗は土が乾きやすいので、朝夕の2回、たっぷりと水やりしましょう。
育苗後半に葉の色が薄くなったら、液体肥料を与えます。
とう立ちしやすく、若い葉と伸びてきた花茎を利用しますが、とう立ち前の若いうちから食べても良いです。
花が咲くと花茎がかたくなるので、つぼみのうちに収穫しましょう。
主枝を切り取れば、側枝が伸びて何度か収穫することができます。
カイランは中国南部から台湾、東南アジアで広く栽培されており、日本への渡来も早いですが、品種の分化は少ないです。
白花芥藍(増田採取場):暑さに極めて強く、6〜12月まで長期収穫ができる。花茎を15cmくらいに折り取る。
宝みどり(武蔵野種苗園):春から秋まで種まきできるが、8月まき・秋どりが最も美味しい。
ベジグリーン(フタバ種苗卸部):生育が早く、暑さや雨にとても強い。種まき後約40日で株ごと収穫します。
芥藍(トキタ種苗):中国南部、台湾などで栽培され、暑さに強く、夏の葉物として重宝する。
苗づくり・畑の準備・植えつけ
まずは、苗づくりからです。
種植えは128穴のセルトレーが便利で、用土はセル育苗専用のものを使い、セルトレー1穴に3〜4粒をまきましょう。
種をまいた後、ふるいでまんべんなく覆土しましょう。
種植えをしたら、水やりを入念におこないましょう。
周辺部は乾きやすいので特に多めに水やりし、夏は朝夕2回必ずたっぷりと水やりします。
発芽したら早めに間引いて1本仕立てにします。
後半葉色が淡くなったら液肥を入れましょう。
本葉3〜4枚で引き抜けるようになったら、畑に植えつける準備は完了です。
次に畑の準備で、アブラナ科は連作障害がおきやすいので、アブラナ科の連作にならないように畑を選びましょう。
できるだけ早いうちに、15〜20cmの深さによく耕しておきます。
植えつける1ヶ月前に1㎡あたり苦土石灰を大さじ3杯、堆肥を4〜5握り施します。
植えつける2週間前に1㎡あたり油かす大さじ10杯、化成肥料大さじ5杯程度の元肥を施し、畝を作って耕します。
畑の苗の準備ができたら株間20cm程度で植えつけていきましょう。
直径3〜4cmのドリンク剤の瓶などの底を押しつけてまき穴をつけます。株間は20cmです。まき穴一ヶ所につき5〜6粒ずつ点まきします。発芽ぞろい時と本葉1〜2枚の頃、間引いて1本仕立てしにします。
追肥・収穫
草丈7〜8cmの頃、列の間に1列当たり、化成肥料大さじ2杯程度追肥し、その後は生育具合をみて適宜行っていきます。
収穫は、草丈15cmくらいになった頃から手で折り取り収穫します。
風味が一番出るのは、茎が伸びて先端の1〜2花が咲き始める頃です。
茎の基部の2〜3芽を残して上の方だけを切り取り収穫すれば、わき芽が伸びてきて2度どりできます。
収穫は早いうちからおこななって、花が咲き始める頃には終了するようにしましょう。
わき芽どりを狙う時は、収穫時すぐに速効性の肥料を追肥しておきます。
おわりに
収穫適期の頃は、茎の下方がややかたくなっているので、半分に切断し、したの部分は皮をむいて縦割りにしましょう。
カイランは茎は炒めもの、サラダ、天ぷらの他、汁の実や漬物に使って、若葉はやや苦みがあるので、炒めものや天ぷらが良いです。
カイランはキャベツの仲間の中でも一番高温でも耐えることができる野菜で、8月まで種まきができます。
夏にアブラナ科の野菜を何か育てたい、と思った方は一度育ててみてはいかがでしょうか。
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