山形県の伝統野菜の一つのオカヒジキは、栄養豊富な「陸の海藻」で、ヒジキに似たところからこの名前がつきました。
この記事では、オカヒジキの育て方・栽培方法についてまとめていますので、ぜひご覧ください。
オカヒジキについて
種はホウレンソウに似ていて、とげ状のほうに包まれて、中に種が1粒入っています。
秋にとれた種は数ヶ月の休眠に入るので、この間は種をまいても発芽しません。
発芽適温は20〜25℃で、10℃以下、30℃以上では発芽しません。
トンネル栽培:種まき3月、トンネル被覆3月〜4月下旬、収穫5月〜6月下旬
露地栽培:種まき4月中旬、収穫5月中旬〜7月下旬
種の寿命が短く、古い種は発芽しにくいので、信頼のおける種苗店から買い求めます。
海岸砂地の原産なので耐塩性は強いですが、酸性土壌には弱いです。
乾燥したり、とり遅れたりすると葉がかたくなり、著しく品質を損ねるので注意しましょう。
やわらかい良品を収穫するには、草丈15cmくらいまでに葉を刈り取って利用します。
オカヒジキは作物としての栽培歴は比較的浅く、また、遺伝的な変異性も少ないようで、品種としての分化はみられません。
オカヒジキ(農業屋):歯ごたえが美味しい陸の海草。多肉質で細く、やわらかい葉はお浸しなどに。
畑の準備・種植え・保温
まずは、畑の準備です。畑全体に堆肥と苦土石灰をばらまき、よく耕しておきます。
量は、1㎡あたり堆肥4〜5握り、石灰大さじ3杯です。
種まきの2週間くらい前に、幅120cm、畝間40cm程度の畝を立てて、全面に元肥をまいて、すき込みます。
元肥の量は、1㎡あたり化成肥料大さじ5杯、油かす大さじ10杯程度です。
次に、種まきです。板切れなどで土を押さえて幅2〜3cm、深さ5mmくらいの溝をつけます。
種のまきかたはは条まきで、まき溝全面に2〜3mmくらいの間隔でまんべんなく種をまきます。
種をまいたあとは、軽く覆土し、ポリマルチなどでマルチングします。
マルチをすることで保温効果が見込むことができるので、発芽してきたらマルチを取り除き、除草を行い、混み合ったところは薄く間引きます。
トンネル被覆をして、気温が高くなりすぎる場合は、頂部に穴をあけて換気します。
間引き・除草・追肥・収穫
初夏の頃は雑草が生えやすいので、こまめに抜き取ります。
間引きは2回に分けて行います。
1回目は本葉2枚の頃4〜5cm間隔に間引きます。
2回目は本葉3〜4枚の頃に7〜8cm間隔に間引きます。
追肥は2回目の間引き後から2週間ごとに列の間に肥料(1列あたり化成肥料大さじ2杯程度)をばらまき、竹べらなどで軽く土に混ぜます。
初期の育ちは遅いので、雑草が生えやすいです。早いうちに除草しましょう。
また、間引き、追肥、水やりも管理を怠らずに、しっかりと育ててあげます。
本葉7〜8枚になったら、1列おきに抜き取り収穫します。
残りのオカヒジキは葉が硬化しないように10〜15cmの長さで刈り取ります。
大きくなってしまったら、葉の先端の若い部分を3〜4cmの長さに摘み取って収穫しましょう。
収穫が遅れると、草丈は伸びて収量は増加しますが、質がかたくなり、食感が悪くなります。
できるだけ草丈15cmくらいで収穫してしまうようにしましょう。
おわりに
オカヒジキは免疫力を高め、抗酸化作用があるβーカロテンが豊富な野菜で、ガン予防やアンチエイジングなどに効果が期待できます。
なかなか栽培している人も少なく、珍しい野菜なので家庭菜園などで一度育ててみてはいかがでしょうか。
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