リーキは、料理界では仏名のポアロ、若いものはポアロジェンヌと呼ばれ、トロリとした食感ややわらかさ、甘みが魅力です。
この記事では、そんなリーキの育て方・栽培方法についてまとめています。
リーキについて
リーキは根深ネギに似て、白い葉鞘の軟白部を利用します。
冷涼な気候を好みますが、耐暑性、耐寒性ともに強く、ネギよりも強健です。
春まき:種まき3月下旬、植えつけ7月中旬、収穫11月中旬〜1月下旬
秋まき:種まき9月中旬、植えつけ11月中旬、収穫5月〜6月下旬
土壌は有機質に富んで、保水性の良いやや粘質土の畑で良品が育ちます。
最適pHは7.0〜8.0とされ、アルカリ性を好むので苗床・畑ともに石灰を十分に施します。
ネギと異なり葉は円筒形ではなくニンニクのような形で、内側に向かって葉身が一定方向につくので、畝の両側に広がります。
栽培管理は、根深ネギに準じて行いますが、葉と葉の間に土が入ると調理の際に取り除くのが大変なので、土寄せはあまり厚くしません。
リーキは品種の分化は見られませんので「リーキ」として市販されている種を求めましょう。
ポワロ(タキイ種苗):においはネギより少なく、加熱調理するとグッと甘みが増します。耐暑性・耐寒性がある。
ポトフ・ルフレ(渡辺農事):葉色が濃く、育てやすい一代交配種。葉が立ち性で土寄せ時に土が入りやすい。
ロングトン(丸種):じっくり太り、長さも出る中早生種。特に中間地、暖地で栽培しやすい品種。
畑の準備・苗づくり
植えつけの1ヶ月くらい前に1㎡当たり大さじ5杯程度の苦土石灰を施します。
リーキは最適pHは7.0〜8.0とされており、日本ネギに比べてアルカリ性を好むので苗床、畑ともに石灰を不足なく与え、高めのpH(アルカリ性)に調整しておきます。
苗づくりでは、まず溝全体に2cm間隔で種をばらまきし、軽く覆土した後、切りワラ、またはもみ殻をばらまきます。
芽が出てきたら、溝の長さ1mあたり化成肥料を大さじ3杯程度施しましょう。
草丈7cm〜8cmの頃、株間2cmに間引き、その後追肥し、鉛筆の太さくらいに仕上げれば植えつけ適期です。
植えつけ
まず、クワで丁寧に深さ20cmの植え溝を掘り、土は片側に寄せあげます。
畝の側面に密着させるようにして、葉が左右に開くように苗を植えつけます。
リーキの良品は軟白部の直径が5cm以上の太いもので、長さ25cmで相当短太なので、植え溝は20cmあれば十分です。
リーキはネギと違い、葉は向き合って出てくるので、葉の向きが畝に対して平行に、畝間に向かって広がるように、方向を一定にして植えることが大切です。
根に厚さ2cmほど土をかけ、その上に乾燥防止のため、堆肥または稲ワラなどを入れます。
追肥・土寄せ
追肥は2回、土寄せは3回に分けておこないます。
1回目は春まきの場合は秋口に、秋まきの場合は春先に、片側に肥料をばらまいて、土と混ぜながら溝に落とし入れます。
追肥の量は、溝の長さ1あたり化成肥料大さじ3杯、油かす大さじ5杯です。
2回目は1回目の1ヶ月後、前回と同じく肥料を施して土を盛りあげます。
3回目は土寄せのみで、収穫の30〜40日前に、葉のつけ根まで両側の土を盛りあげましょう。
摘蕾(てきらい)・収穫
冬の低温で花芽ができ、春になるととう立ちしてくるので、早いうちにつぼみごととうを摘み取り、草全体の育ちを促します。
春先に出るネギ坊主は残して開花させると生け花に利用できます。
軟白部の長さが20〜25cmになったら適宜収穫します。
生育途中の若い状態で収穫したものはポアロジェンヌと呼ばれます。
おわりに
リーキは加熱すると生まれる甘みはネギよりも濃厚で、バター焼きやコンソメ煮、グラタンなどにすると持ち味が生きます。
実はリーキは、最近ではスーパーでよく見かけるようになってきました。
というのも、「無臭ニンニク」と呼ばれているものは実は「リーキ」のことなんです。
汎用性の高いリーキ、一度育ててみてはいかがでしょうか。
この記事では、リーキの基本的な育て方・栽培方法について紹介しました。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。