土と肥料

追肥とは?追肥のやり方とコツ

家庭菜園をしていると追肥という言葉をよく聞きます。

追肥とは「植物を育てている途中に与える肥料」のことです。

皆さんは追肥、していますか?

この記事では、「追肥について」「追肥の基本」についてまとめました。

ぜひ参考にしてください。

追肥の基本

ナスの追肥

追肥は作物の生育中に足りない養分を追加で施すことが目的なので、一般に、有機質肥料などの効き目が遅いものは使用せず、速効性のある化学肥料液体肥料を使います。

肥料の施し方には、穴肥、溝施肥、バラまきの方法があります。

施すコツは、肥料やけ(肥料を多く与えすぎたり、土壌が乾燥して肥料濃度が濃くなると、根が傷んでしまうこと)を避けるようにすることです。

野菜の根元ではなく、これから根が伸びるであろう野菜と野菜の間や、畝の両側や通路に施すようにしましょう。

また、無駄なく速く効かせるには、施す部分に浅く溝を掘り、肥料を施した後、土に混ぜるようにし土で覆っておくと効果的です。

土で乾いているときは追肥後に水やりをすると、効き目が速くなりますよ。

追肥の3つのやり方

ばらまき

追肥の仕方は大きく「穴肥」「溝施肥」「ばらまき」の3つに分けられます。

一つずつ解説していきますね。

穴肥は、生育期間の長い野菜に与える追肥の方法です。

株から離れたところに穴を掘って埋める「待ち肥」のことを穴肥いいます。

果菜類など、株と株の間が比較的距離がある作物に用います。

溝施肥は、株から離れたところに溝を掘り、そこに肥料を入れる追肥の方法です。

ネギや大根など、条状に植えた作物に用います。

バラまきとは、タマネギやネギなどの苗に上から肥料をばらまく方法です。

施肥後はふるいで上から土をかけます。

追肥はどこにやれば効果的?

トマトの追肥

植物は、根から土の中や水分や養分を吸収します。

しかし、決して根全体から球種しているわけではありません。

多くは、生長している根の先端近い部分から吸収しており、その部分の細胞から「根毛」と呼ばれる、ごく細かい毛状の突起が伸びています。

根毛があることによって、根の表面積を広げ、効率よく、水分や養分を吸収することができるのです。

植物の根の先端は、地表の横に伸びた枝先から、垂直に地面に下ろしたあたりとされています。

それが追肥をする場所としての一定の目安ですよ。

トマトやキュウリなどの果菜類のように、枝を切って仕立てられたものは、実際はもっとずっと外側まで根が伸びています。

しかし、畑では隣の株や他の作物との距離的な関係もあり、畝のすぐ横に施すのが一般的です。

ちなみに、生長したトマトの根は、直径2mほどに広がっています。

追肥をする際には、植物がもっとも吸収しやすい場所をしっかり考慮して、施してあげるようにしましょう。

こんな時は追肥はしない!

水やり

作物の生育に必要なものは、養分以上に太陽二酸化炭素が大切です。

土の中の養分が十分でも、低温や曇天が続くときや水不足の時は、肥料の吸収量も少なく生長も鈍くなります。

地温が低いと微生物の働きも鈍り肥料の分解も悪く、養分吸収は低下します。寒い冬に肥料を施しても効果が期待できません。

当たり前のことですが、水不足でしおれている時は肥料よりまず水です。

酸素不足で根腐れが発生したり、病害虫による被害を受けた時も、肥料は禁物です。

このような時に施肥すると、かえって根が弱ってしまいます。

生育期間の長い作物は、葉の色が褪めてきたら追肥が必要です。

例えば春植えのナスなどは、梅雨入り、梅雨明け、初秋と3回くらい追肥が必要になります。

しかし、葉の色が落ちてきたからと言って、それがチッ素不足によるものか、根が弱っているためなのか、よく見極めて追肥しないと失敗します。

タイミングよく、必要な分だけ少しずつ施して、じわじわと効かせるのが追肥のコツですよ。

おわりに

この記事では、追肥の基本的なやり方とコツについて紹介しました。

効果的に追肥を施して野菜を長生きさせ、収穫アップを目指しましょう。

また、下記ではよく聞かれる「元肥」との違いをまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてください。