カキ殻石灰とは?その特徴
カキ殻の塩分を除き、乾燥、もしくは焼成してから、粉砕したものです。
カキの生産に伴って発生する廃棄物(カキ殻)を有効利用したものなので、比較的安価です。
ほとんどの野菜は弱酸性から中性の土壌でよく育ちます。ところが、日本の土壌は酸性に傾きがちです。
土が酸性になると、野菜の根が肥料分を吸収しづらくなり、また、微生物も棲みにくい環境になります。そこで、野菜を植えつける前に、アルカリ性のカキ殻石灰などの石灰資材を畑にすき込んで、酸度の調整をします。
市販の石灰資材には、消石灰や苦土石灰もあります。これらの無機石灰は、速効性がある反面、量を間違えると効きすぎて、野菜を弱らせる心配があります。
また、堆肥と肥料を一緒に施すと窒素と反応してガスが出ることがあり、普通1〜2週間の時間差をおいて、土によくなじませてから施肥をします。
カキ殻石灰をはじめとする有機石灰は、穏やかにじわじわと効果が長く続くのが特徴です。
大体の目安の分量を施せばよく、効きすぎの心配はありません。
カキ殻石灰は、石灰分以外にも、鉄やホウ素などの微量要素、さらに乾燥させたものでは、付着した肉片に由来する少量の窒素やリン酸を含むことが特徴です。
カキ殻は多孔質構造をしており、微生物のすみかにもなります。
少しずつ溶けて穏やかに効くので、入れすぎても肥料焼けなどの心配がありません。
また、効果が長続きします。粒のあらいものはほどゆっくり溶け出し、効果もゆっくり出ます。
かき殻石灰の使い方と注意点
微量要素が欠乏している畑や、有機農法を行いたい場合などに向いています。
すぐには効果は出ないので、最初のうちは苦土石灰と一緒に使うと良いでしょう。
入れ続けていくと、前に入れた分がじわじわと効いてくるので、やがてカキ殻石灰だけで済むようになります。
製品によってアルカリ分が異なるので、確認して使いましょう。
○乾燥させたカキの殻。成分のほとんどがカルシウムだが、海洋性の微量要素を含み、野菜を美味しくする点は一般的な石灰資材(消石灰や炭酸カルシウム)にはない特徴。
○カルシウムの補給と同時に、酸性土壌を改善する天然由来の石灰資材(有機石灰)。堆肥をすき込む際に同時に利用する。
○効き目は極めて穏やか。土壌微生物はpHなど環境の急変を嫌うため、土づくりにはカキ殻石灰などの有機石灰がオススメ。