1.カブラハバチの被害
ハチの仲間で、幼虫がアブラナ科の葉を食害します。
朝や曇りの日は葉裏に隠れており、食害痕は小さな円状です。
アオムシとヨトウムシと似ているイモムシ状の幼虫が、集団または単独で葉を加害します。
幼虫の形は特にアオムシによく似ていますが、体の色が黒いのですぐ分かります。
葉の被害は小さな孔があく程度で、作物が少し大きくなれば実害は少ないです。
2.カブラハバチが発生しやすい野菜・植物一覧
ストック、葉牡丹、大根、カブなど
3.カブラハバチの生態
ハチであるのにもかかわらず、針を持っていません。
幼虫の体形がチョウ・蛾の仲間のような形をしており、かつ葉を食べるので、ハバチ(葉蜂)と言われます。
年に2〜3回の発生があり、特に、6月、10月〜11月に多く発生します。
成虫は長さ7mm前後のハチで、体は橙色で、背中にたたんでいる羽が黒いです。
散乱のため大根などの葉の上でよく見つかりますが、葉を食べるなどの害はないです。
成虫のハチは、針はなくギザギザの産卵管があり、それで葉や茎を浅く切り中に産卵します。
軟弱気味の株は産卵されやすく、天敵の少ない畑だと被害が増えます。
密植などで風通しが悪い時もつきやすくなります。
孵化した幼虫は土の中に潜って繭の中でサナギになります。
4.カブラハバチの防除・対策
通常アオムシやヨトウムシの防除を行っていればほとんど発生しません。
草花のスイートアリッサムは好物で、多発しやすいので、大根畑の近くにこの花があると発生しやすいです。
軟弱な株にならないように、肥料の過不足に注意して丈夫な苗を育てましょう。
密植はせず、適切な株間をとって風通しをよくし、種まきや定植後には防虫ネットで産卵を防ぎます。
天敵が棲みつく畑を作ることも大切で、1〜2匹なら放置すると天敵が現れるので、放置した方が被害は減ります。
また、幼虫は昼間でも集団で葉に寄生しているので、葉を切り処分しましょう。
5.カブラハバチ駆除の方法
発生したら
産卵中の成虫を見つけたら捕殺します。
葉を食い尽くされてしまうので、早期発見、早期防除が大事です。
葉裏や葉の上にいる幼虫を見つけ次第捕殺します。
効果のある薬剤・農薬
幼虫は薬剤に弱いので、比較的容易に防除できます。
発生初期にオルトラン液剤など、該当する植物に登録のある薬剤を全体に散布します。
バラにはベニカXフェインスプレーなどを、
ツツジやサツキにはオルトランCを、
大根やカブにはマラソン乳剤を使用します。
おわりに
この記事では、カブラハバチの被害・生態・防除方法について紹介しました。
下記では、他にも様々な野菜の病気や害虫について一覧にしてまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。