1.ハモグリバエの被害
葉に1ミリ前後の白いクネクネした筋や円形の斑紋が現れるため「エカキムシ」とも呼ばれます。
これは、葉肉の中にいるハモグリバエの幼虫が、葉の組織を食べトンネルを掘るように食害した痕跡によるものです。
葉を透かせてみると約2ミリの幼虫やサナギの影が見つかります。
またよく見ると筋状の模様の脇に黒い汚れが列になっていることがありますが、これは幼虫の排泄物です。
被害が進むと、葉全体が食害されて真っ白になり枯れてしまいます。
2.ハモグリバエが発生しやすい野菜・植物一覧
ツバキ、サザンカ、ナスタチウム、スイートピー、エンドウ、シュンギク、セロリなど
3.ハモグリバエの生態
ハモグリバエはハエの仲間で、ナモグリバエ、マメハモグリバエ、ナスハモグリバエなどたくさんの種類がおり、雑食性なので様々な野菜につきます。
ナモグリバエを除く多くの成虫は約2ミリの黄色い部分が混ざったハエで、形態が似ていて区別は難しいです。メスの成虫が尾端の産卵期間を使って葉に傷つけ、そこからしみ出した汁を吸います。
オスもその汁を吸い、産卵も同様に葉に穴をあけて葉肉内に一つずつ産み、一匹で約400個の卵を産みます。
葉肉内で幼虫となり1週間前後でサナギになり、種類によっては葉の中でサナギになるものや葉から抜け出し土壌表面でサナギになるものもいます。
卵から成虫になるまで20日前後と繁殖速度は速いです。
トマトハモグリバエ、マメハモグリバエ、アシグロハモグリバエは海外からの侵入種で、休眠せず、温室やビニールハウスでは一年中活動します。
4.ハモグリバエの防除・対策
発生が少ない場合は、実害はあまりないので無視しても良いです。
しかし、多発すると株の生育にも影響が現れるので、毎年発生する地区では発生した時の防除を徹底します。
目合いが1mm以下の防虫ネットで飛来を防止します。
ハウス栽培では、誘引効果のある黄色の粘着素材を入り口に設置し侵入を防ぐのも良いです。
5.ハモグリバエ駆除の方法
発生したら
被害が進むと葉全体が食害されて白っぽくなり、生育が悪くなるため、日ごろから植物をよく見て、葉についた白い線を早期に発見します。
絵描き状に食害された葉は見つけたらすぐに摘み取ってしまい、被害の拡大を防ぐのが最良の対処法です。
侵入種は薬剤に対する抵抗力が強く、天敵に抑制されることが多いので、殺虫剤を多用しないことが大事です。
落ちた葉の中にも幼虫がいることがあるので、集めて処分しましょう。
効果のある薬剤・農薬
ベニカS乳剤、ベニカ水溶剤、ベニカベジフルスプレーなどを散布して防除しましょう。
おわりに
この記事では、ハモグリバエの被害・生態・防除方法について紹介しました。
下記では、他にも様々な野菜の病気や害虫について一覧にしてまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。