1.症状と被害
主に茎と花で発病し、茎では、途中から腐敗したように軟らかくなり、その部位から上が枯れていきます。
地際部分が発病すると萎凋し、株全体が枯死します。
患部は、はじめ水でぬれたように茶色の斑点ができます。
斑点が拡大するにしたがって白い綿のようなカビが生え、のちにこれはネズミの糞のような黒い塊(菌核)に変わります。
花は、蕾や開花中の花弁が褐色になり早期に落下してしまいます。
地上に落ちた罹病花は、花弁やがく全体が黒褐色に変化して腐敗していきます。
あらゆる野菜に感染しますが、秋から春にかけて発生するので、キャベツやレタスなどの秋冬野菜は特に注意しましょう。
2.菌核病にかかりやすい野菜・植物一覧
キンギョソウ、キンセンカ、グラジオラス、スイセン、ストック、ツバキ、ナス、キュウリ、キャベツ、白菜、トマト、メロンなど多数
3.原因と伝染経路
病原菌はスクレロテイニア・スクレロテイオラムというカビの一種が原因です。
胞子が茎や葉、花に付着したあとに泥はねや雨水がかかると、感染します。
そのため外葉や地際部、雨のたまりやすい花やつぼみから侵入されやすいです。
マルチフィルムやワラを敷いていない畝で出やすくなり、水はけや風通しの悪い環境も注意が必要です。
また、肥料過多の株が弱った株は感染しやすくなります。
菌核は黒色でねずみの糞ぐらいの大きさを形成し、土壌中では4〜6年は生存できるといわれます。
4.防除・対処法
病原菌は18〜20℃の気温と多湿を好むので、排水をよくし、風通しがよくなるよう間隔をあけて植えるなどして工夫すると良いです。
「ツチアオカビ」と呼ばれるトリコデルマ菌を増やすと、病原菌を食べてくれるので菌核病を食べてくれるので菌核病が出にくくなります。
定植後の気温が高い時期に畝に米ぬかをうっすらとまいて、上から酢水を吹きかけるとツチアオカビが増えます。
また、葉が繁り過ぎるのを避けるため、窒素肥料を控えめにすることも予防対策としては有効です。
菌核病は、同じ病原菌が何種類もの植物を侵す多犯性のため、この病気にかかりやすい種は植えないようにするなどの配慮が必要です。
5.治療方法【薬剤・農薬】
発病したら
発病後は、菌核が形成されても地面に落下して周りに病気が広がらないようにすぐに抜き取り、畑の外で処分します。
菌核は土壌中に長く生存するので、この病気が発生したら連作を避けます。
効果のある薬剤・農薬
とくに野菜や草花で多く見られます。
トップジンM水和剤やベンレート水和剤などを発生初期に丁寧に散布しましょう。
おわりに
この記事では、菌核病の原因と防除方法について紹介しました。
下記では、他にも様々な野菜の病気と害虫を一覧にしてまとめていますので、コチラもあわせてご覧ください。