よくほうれん草や小松菜などはよく「寒締め栽培(かんじめさいばい)」をおこなうと良いと言われています。
寒締め栽培とは一体どのようなものでしょうか?
また、その栽培方法をおこなうことによってどのような効果を得ることができるのでしょうか?
そこでこの記事では、寒締め栽培について詳しくまとめています。
寒締め栽培とは?
寒締め栽培とは、秋や冬に栽培している小松菜やほうれん草などの野菜を、収穫前の1〜2週間に冬季の寒さに積極的に当てることです。
この処理をすることで、野菜の内容成分である糖やビタミン類などを多くし、食味や品質を高める効果を得ることができます。
「寒締め(かんじめ)」は「寒曝し(かんざらし)」とも言われることがあります。
寒締め栽培の効果は?条件は?
この寒締めには、越冬栽培が可能な多くの葉根菜類で効果があり、その効果を出すには、地温が10℃以下にすることが大切です。
寒締め栽培で収穫された野菜は、寒締めほうれん草や寒締め小松菜などのように「寒締め」の呼び名を頭につけ、さらに糖度の高い収穫物に限定して寒締め品の名前で売られています。
葉は地面を這うように成育し(ロゼッタ状)、葉面が縮み、ちりめん状のシワになります。
このシワは、葉脈の間を埋める葉身が面積を拡張し、小高く盛り上がった結果によって表れます。
この葉面の凸凹は、織物の縮みやちりめんにおいて、しぼと呼ぶ布の表面に表した細かい凸凹に似ていて、ちりめんの風合いに似た特徴を持つことから、ちりめん状の葉と呼ばれています。
ちりめん状の葉は正常形の遺伝子に欠損が生じることによってもあらわれ、そういったものは変種や品種として扱われます。
その例として、チリメンキャベツ(サボイキャベツ)、チリメンジソ、三池ちりめん高菜、チリメンハカラシナなどが挙げられます。
ほうれん草にもちりめん系があって、寒締めの効果が強く現れる系統が作出されており、寒締め品だけでなくチヂミホウレンソウの名で秋冬季の高品質野菜として流通しています。
寒締め栽培効果の理由
寒締め野菜が糖などを蓄積する理由は、凍結から身を守るための防御作用に基づくものです。
植物を低温下で成育させると、細胞内に糖を蓄積することで細胞内液の濃度が上がり、凍結しにくくなります。
さらに気温が氷点下になると細胞の外に氷ができますが、細胞を壊さない程度の水であれば、この氷晶形成に細胞内の水分が使われるので、細胞内液の濃度が上昇し、細胞内はさらに凍りにくくなります。
おわりに
この記事では、寒締め栽培について紹介しました。
こういった栽培テクニックをうまく利用し、良質な野菜を収穫できるようになりましょう。
下記では、寒締め栽培ができる葉物を始めとする100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。