野菜を育てていると肥料を買う機会は必ずあると思います。
そこでよくある質問として
「たくさん肥料がある中で結局どれを選べば良いかわからない」
「肥料を選ぶポイントってあるの?」
ということをよく聞かれます。
そこでこの記事では、肥料を実際に選ぶ際のポイントについてまとめました。
肥料の基本のキを知りたいという方はまず下記をご覧ください。
「思い込み」にとらわれず肥料を使い分ける
よく、せっかく自分で野菜を作るなら安全で安心な有機栽培に取り組んでみたい、化学肥料を絶対に使いたくないと考える人がいます。
しかし、化学肥料を「悪」と考えるのは根本的な誤りです。
化学肥料はたしかに化学工場などで使われる肥料ですが、原料はすべて天然のものです。
例えば、チッ素肥料は大気中に含まれるチッ素ガス、リン酸肥料はリン鉱石、カリ肥料は岩塩などです。
地球の空気の約7割はチッ素ですが、植物は空気中のチッ素をそのままでは利用することはできません。
リン鉱石の中にあるリン酸もほとんど効きません。そこで、化学的な処理をして、肥料効果を高めたのが化学肥料なのです。
必要以上の量を与えると、作物にも環境にも悪影響を与えてしまいますが、作物の味や収穫量をよくするといった利点の方がはるかに大きいのです。
一方で、有機質肥料は動植物由来なので環境に優しいと思われがちですが、必ずしもそうとはいえない場合があります。
もし、海外から輸入された原料から作られた有機質肥料を畑に施した場合、外国の養分を日本に持ち込んでいるという見方ができ、必ずしも環境に良いとはいえないのです。
しかも、有機質肥料のほとんどに、土から流出しにくリン酸を多く含んでいるので、使い続ければ、当然リン酸過剰になってしまいます。
むしろ、化学肥料である尿素などを必要な分だけ施す方が、環境への影響は少ないのです。
化学肥料と有機質肥料は、それぞれに特徴があるので、善悪の思い込みに囚われず、有効に使い分けていきたいものです。
単肥を上手に活用する
肥料は土の保肥力に合わせて、作物を必要とする分だけを与えるのが鉄則です。
初心者には、チッ素・リン酸・カリをバランスよく含んだ化成肥料などの複合肥料が使いやすいのですが、土の状態や育てる作物によって、必要な肥料成分は変わってきます。
そこで、上手に使いたいのが単肥です。
単肥は、肥料成分が1つしか含まれておらず、作物にとってどの要素が必要なのか、その時々で考えなければなりません。
しかし、逆に考えれば、必要な量を必要な分だけを与えることもできます。
単肥を使いこなして肥料やりの上級者を目指しましょう。
おわりに
ここでは、肥料を選ぶポイントについて解説しました。
肥料を選んだらいよいよ実際に肥料を使っていきましょう。
下記の記事では、肥料の基本的な使い方、季節ごと、作物ごとの肥料の使い方の違いをまとめていますので、こちらもご覧ください。