土と肥料

化成肥料とは?単肥とは?配合肥料とは?その違い【化学肥料一覧】

ホームセンターなどに行くと様々な種類の肥料が売られていて、どれを選んだら良いか迷ってしまいます。肥料は色々な分類の仕方がありますが、大まかには、①原料による分類②形状による分類③効き方による分類に分けられます。

肥料を①原料による分類で分けると大まかに「有機質肥料」と「化学肥料」の2つに分かれます。さらに、化学肥料は化成肥料単肥に分けることができます。

この記事では、「化成肥料と単肥の違い」と「化学肥料の種類と特徴【一覧】」をまとめました。

もし、有機質肥料について気になった方は下記もあわせてご覧ください。(後日公開)

化成肥料と単肥

化成肥料とは、化学肥料の一種です。肥料の三要素である、チッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)のうち、製造する過程で二要素以上を化学的に結合させたものです。

もし、肥料袋に8-8-8と表示されていたら、N・P・Kの順番にそれぞれ8%ずつ含まれていることになります。

三要素の成分バランスが、このように一定のものを水平型と呼びますが、他にも、5-8-5などリン酸が多い山型、逆に10-2-8などリン酸が少ない谷型があります。

一方、化学肥料の中で、三要素のうち1つの成分しか含まない肥料を単肥といいます。

例えば、チッ素肥料なら硫安や塩安、リン酸肥料なら熔リンや過リン酸石灰、カリ肥料なら硫加や塩加などがあります。

なお、複数の単肥などを単純に混ぜ合わせた肥料を配合肥料と呼びます。

単肥のみをブレンドした「単肥配合」、粉状ではなく粒状に加工した「BB肥料」、有機質肥料をブレンドして、化学肥料と有機質肥料の特徴を併せ持った「有機入り配合」などがあります。

化学肥料の種類と特徴【一覧】

下記に主な化学肥料について一覧にまとめました。

化学肥料

肥料の 種類
配合比
    

効き方
   
留意点
硫安チッソ分21%速効性施すと酸性になる。肥効期間は1ヶ月ほど。
塩安チッソ分25%速効性施すと酸性になる。水に溶けやすい。少しずつ肥やけを起こすイモ類は不向き。
硝安チッソ分34%速効性土に吸着されずに流れやすい。葉にかかると葉やけを起こす。
尿素チッソ分46%速効性中性。根が弱っているときは液肥の葉面散布が効果的。液肥での追肥も効果的だが施しすぎに注意。
石灰チッ素チッソ分21%緩効性毒性があるので注意。施肥の時は吸い込まないように必ずマスクをする。
熔リンリン酸20%苦土15%
ケイ酸20%アルカリ分50%
緩効性硫安や塩安など酸性肥料に接して溶ける。じっくり効いて長持ちする。酸性土や黒ボク土の土づくりに向く
過リン酸石灰リン酸17〜20%速効性水に溶けやすいので短期作物に良い。長期作物には熔リンと混ぜて(ほぼ同量ずつ)使うと良い
硫酸カリカリ分(水溶性)50%速効性土を酸性にする。追肥に便利。ジャガイモ、サツマイモに便利。
塩化カリカリ分(水溶性)60%速効性土を酸性にする。吸湿性が強く葉につくと葉やけする。イモ類は繊維質が多くなるので不向き

化成肥料

肥料の種類
配合比
      

効き方
   
留意点
普通化成チッソ分8%
リン酸8%
カリ分6%
速効性速効性で使いやすい
成分バランスがよく手軽で便利
高度化成チッソ分15%
リン酸12%
カリ分15%
速効性バランスよく成分量が多いので、長く効く。施し過ぎないようにする。

配合肥料

肥料の種類
配合比
       

効き方
   
留意点
単肥配合チッソ分7%
リン酸7%
カリ分7%
速効性粉状配合肥料で種類が多い。吸湿性が高く、固くなりやすい。素材の混合割合を確認する。
BB肥料チッソ分15%
リン酸12%
カリ分10%
速効性粉状なので、粉状に比較して扱いやすい
素材の混合割合を確認する。
有機入り配合チッソ分15%
リン酸12%
カリ分10%
速効性

緩効性
単肥の速効性と有機質の緩効性を金揃えている。素材の混合割合を確認する。

おわりに

この記事では、化成肥料と単肥の違いと化学肥料の種類と特徴についてまとめました。ちなみに、化学肥料と有機物肥料の違いはご存知でしょうか。下記記事で、「化学肥料と有機物肥料の違い」「有機物肥料の種類と特徴【一覧】」をまとめましたので気になる方はあわせてご覧ください。

また、冒頭で述べたように肥料は「原料による分類」以外に、「形状による部分類」「利き方による分類」がありますので、こちらもどうぞ。

肥料の分類ー形状による分類ー(後日更新予定)

肥料の分類ー効き方による分類ー(後日更新予定)