貝化石とは?その特徴
貝化石とは、貝殻やサンゴ、珪藻類が堆積して化石化したものを砕いた有機石灰(酸性に傾いた土壌を中和するために用いる天然の石灰資材)です。粒状に成形したものがあります。
ほとんどの野菜は弱酸性から中性の土壌でよく育ちます。ところが、日本の土壌は酸性に傾きがちです。土が酸性になると、野菜の根が肥料分を吸収しづらくなり、また微生物も棲みにくい環境になります。
そこで、野菜を植えつける前に、貝化石を畑にすき込んで、酸度の調整をします。
貝化石は、石灰のほか、マグネシウム、鉄などの微量要素を含みます。また、土の団粒を促す有機物(フミン酸)が含まれているため、土をあまりかたくしません。
粗く砕いたものは、多孔質構造で、微生物のすみかにもなります。
少しずつ溶けて効くので、入れすぎても肥焼けなどの障害が出ません。また、効果が長続きします。
貝化石の使い方と注意点
微量要素が欠乏している畑や、有機農法を行いたい場合などに向いています。
製品によっては、アルカリ分が低いものがあります。成分表を確認し、アルカリ分35%以上のものを選びましょう。
すぐには溶けださないので、施用後、すぐに作付けしても障害は出ませんが、効果も得られません。
苦土石灰より、作付けまでの時間を2〜3割ほど余裕を持って施してください。長年、土に入れ続けると、安定したpH調整効果が得られます。
○貝化石は古代の海生貝類などが堆積した化石を加熱乾燥粉末化したもの。
○カルシウムの補給と同時に、酸性土壌を改善する天然由来の石灰資材(有機石灰)。堆肥をすき込むときに同時に利用できる。
○効き目は極めて穏やかで、土壌微生物はpHなど環境の急変を嫌うため、土づくりには貝化石などの有機石灰がオススメです。