1.ナメクジの被害
カタツムリと同じ、陸生貝の仲間で、家庭菜園で多く出るのは、フタスジネメクジとチャコウラナメクジの2種類です。
行動範囲は狭く、湿った環境を好み、昼は敷きワラや野菜の残渣、鉢底の物陰に隠れていて、夜になると活動します。
雨が降ったあとの夜は被害が多くなり、プランター栽培やハウス栽培も潜む場所が多いので被害にあいやすいです。
堆肥置き場や野菜の残渣、落ち葉や石の下などに産卵し、野菜や草花の新芽や柔らかい葉、腐りかけの植物をなめるように食害します。
食害痕はヨトウムシに似ていますが、ナメクジの場合は粘液によるテカテカしたスジが残ります。
イチゴやナスにつくと、実に穴をあけるように食害します。
また、大きく育った外葉はかたいので食べませんが、白菜やキャベツなどの結球野菜の内部によく入り込まれます。
2.ナメクジが発生しやすい野菜・植物一覧
クレマチス、コスモス、パンジー、プリムラ、カトレア、イチゴ、大根、白菜など
3.ナメクジの生態
石の下や土の浅い部分に産卵し、半透明の卵が一塊に埋めつけられます。
幼体は成体と同じ形をし、雨が降ったあとや水をまいたあとなど湿り気の多いとき、葉が濡れている夜間に活発に行動します。
昼間は石や鉢の下、落葉の中、土の中に潜み日が暮れるのを待っており、冬季は、土の中で越冬します。
腐敗した有機物があると誘引され、肥料過多など野菜の状態には関係なく、近くにエサとなる植物があればそれを食べます。
ネキリムシと同じく雑食性ですが、キク科とアブラナ科を好んで食害します。
4.ナメクジの防除・対策
敷きワラや野菜の残渣の下に潜って産卵するので、被害にあいやすい野菜の畝はマルチフィルムを利用すると良いでしょう。
若い雑草はナメクジのエサになりますので、野菜の周囲に雑草を適度に生やしておくと被害が減ります。
キク科を好むので、守りたい野菜の周りにおとり作物としてマリーゴールドなどを育てるのもオススメです。
また、ナメクジは椿を嫌うので、株の周りに椿の葉や実を刻んでまいておくと忌避することができます。
アブラナ科に含まれるグルコシレートにも忌避効果があります。
ただ、白菜にはグルコシレートが少ないので狙われてしまいます。
5.ナメクジ駆除の方法
発生したら
夜に見回り根気強く捕殺します。
夕方、発生場所にビールかオレンジジュースを少量入れた浅い器を置いておくと誘引され、容器に入ります。
塩をかけると死ぬといわれますが、小さくなるだけで、死滅させるには熱湯の方が効果的です。
隠れ場所となるような石や落葉などを排除します。
また食害される植物のまわりに石灰や砂を少し高めにまいておくと、ナメクジは乗り越えることができません。
効果のある薬剤・農薬
加害された植物の周りの地面に、ナメクジ用の誘引剤(ナメナイト)をまいて捕殺しますが、まいた後に雨や水やりなどで薬剤が濡れると効果が薄まるので注意しましょう。
おわりに
この記事では、ナメクジの生態・被害・防除方法などについて紹介しました。
下記では、他にも様々な野菜の病気や害虫について一覧にして紹介していますので、コチラもあわせてご覧ください。