人参について
人参の原産地はアフガニスタンのヒマラヤ、ヒンドゥクシ山麓で、日本には、東洋系の人参が渡来し、そのあとに西洋系の人参が渡来しました。
その後、西洋系の改良がすすんで今では15cm~20cmの五寸人参が主流です。
西洋系の人参はβカロテンを多く含み、がんの原因ともなる活性酸素の作用を抑える働きがあります。
様々な品種
・ベーターリッチ⇒育てやすく、甘くて美味しい
・ベビーキャロット⇒75日で収穫できるミニ人参
・向陽2号⇒春夏作、早太りで栽培しやすい。
・新黒田五寸人参⇒夏作、根色は濃い澄紅色で、肉質が軟らかい。
・夏蒔鮮紅五寸⇒耐暑性に優れ、鮮やかな紅色で肉質も良い。
土づくり
まずは、種まきの2週間前に、土を30cm程度の深さに耕してよく砕き、小石があれば取り除きます。
実はこの作業がとても大切で、小石があることで人参が又根になりますので、しっかり小石は取り除きましょうね。
次に、苦土石灰をまいて、土壌酸度を調整しましょう。(人参の適正酸度はpH5.5~6.5)
そのあと、一週間前に完熟堆肥と化成肥料、ヨウリンを全体に施し、幅60cm、高さ10cmの畝を作ります。
根が50cm以上になる長根種を作る場合は、畝も20cm以上の高さにしましょう。
種植え
条間は30cmで、深さ1cmほどのまき溝を2条つけ、1cm間隔に種をまきましょう。
2~3mmの厚さに、土をかぶせて、その上を手で軽くたたいて土と種を密着させる一工夫が大事です。
発芽するまでは乾燥しないようにしっかりとジョウロを使って水やりしましょう。
夏の乾燥と強い雨による種の流出を防ぐために、種まき後、土が隠れるぐらいにもみ殻をまくのも良いですね。
管理
一回目・二回目の間引き
間引きは三回に分けておこないます。
①葉柄(ようへい)が細くて長いもの
②害虫による食害を受けたもの
③胚軸がくびれているもの
を間引きし、健全でひょろひょろしていないしっかりした株を残しましょう。
一回目の間引きは、双葉が展開したとき、混み合っているところは1cm程度に間引き、根元に軽く土を寄せます。
二回目は本葉が2~3枚の時、5~6cmの株間になるように間引きしましょう。
人参は初期生育が遅く、特にはじめは、雑草に負けないように、こまめに除草をおこないましょう。
三回目の間引き
三回目は本葉が5~6枚の時、10~12cmの株間にします。
二回目、三回目の間引きの時に、化成肥料を条間に施して浅く中耕しておきましょう。
また、三回目の間引きの時は、葉のつけ根が埋もれない程度に通路の土を寄せて、根の肩部の緑化を防ぎましょう。
間引いた苗はミニキャロットとして、美味しく食べることができます。
収穫
11月中旬頃になると、収穫できる大きさになってきますので、根が太ったものから順次収穫していきましょう。
土の上に出ている茎の直径が4~5cmになるころが適期で、葉を握り真上に引き抜きます。
気温が低くなってくると地上部は次第に枯れてきますが、2月頃までゆっくりと収穫することができ、必要な分だけ収穫できるのも人参の魅力の一つ。
しかし、春になると白根が出て、トウ立ちがしてきて収穫が終わります。
収穫までには早い品種で70日、遅い品種だと120日以上かかるものもあります。
生育不良の原因と対策
発芽しない・発芽がバラバラ
原因は2つで、一つは「水分不足」二つ目は「日照不足」です。
人参が又根(裂根)になる
発芽して直根が下に伸びていく頃に、未熟の堆肥や有機肥料、化成肥料の塊、小石があるとそこで根が分かれてしまいます。
堆肥を入れるときは完熟堆肥を入れて、小石などもしっかりと取り除いてから種まきをしましょう。
人参に割れ目が入る
これは人参が肥大するときのトラブルによって引き起こされます。
中心部の肥大に、外側の肥大が追いつかないために起こる現象で、元肥や追肥の多すぎや追肥の遅れなど、生育後半に肥料がききすぎると割れる原因となります。
また、雨が多すぎるとなることもありますよ。
人参が大きくならない
大きな理由は、株間が狭いことと、あとは耕土が浅いことが多いです。
まとめ
①土を深く耕してよく砕き、小石を取り除きましょう。
②酸性土壌を嫌うので、苦土石灰をまいて酸度を調整する。
③耐病性品種を選び、種まきの際は、土は薄くかぶせる。そして、発芽までには十分な水やりをする。
④間引きをして株間を確保し、根の生長を促せる。
下記では、他にも100種類以上の野菜の育て方・栽培方法についてまとめています。