フキは家庭料理で親しまれる純国産野菜です。
独特の苦みと歯ざわりが持ち味で、春のフキノトウ収穫も楽しみの一つです。
この記事では、フキの育て方・栽培方法についてまとめています。
フキについて
宿根性で一度植えておくと長年収穫し続けられますが、種子がとれないので、地下茎を求めて栽培しましょう。
霜にあうと枯死しますが、地下茎は丈夫で、冬は休眠するので寒冷地でも容易に越冬します。
露地栽培:植えつけ8月下旬〜9月下旬、収穫4月中旬〜6月中旬(2年目)、5月中旬〜7月中旬(3年目)、フキノトウ収穫2月中旬〜3月中旬、
木陰のやや湿気の多いところでよく育つので、日当たりの良すぎるところは遮光ネットを使うと良いです。
フキは主に葉柄を利用しますが、春先の葉の出る前に鱗片に包まれて出てくるフキノトウ(蕾)も収穫できます。
数本の垂直根が深く伸びますが、細い根は地表近くを横に広がるので乾燥には弱いです。
栽培は、保水力のある排水の良い場所が向いています。
数年間栽培を続けて地下茎が混み合ってきたら、クワを入れて適宜間引き、株間を広げます。
フキは山野に自生するものから選抜改良されたもので、各地に野ブキの系統がありますが、明らかな特性を持つ品種は、「愛知早生」、「八ツ頭」、「水ブキ」、大型の「秋田ブキ」などです。
山フキ:ほろ苦さが人気の優良系統種。性質が丈夫で草丈30〜70cmに生長する。
愛知早生フキ:愛知県の選抜系統種。生育旺盛で収穫量も多い。葉柄の伸びがよく、太い。
根株の準備・畑の準備・植えつけ
前述した通り、フキは種子がとれないので(種子が実らない)ので、地下茎を分割し、栄養繁殖を行います。
良い根株をとるために、あらかじめ採取用の株を決めておきましょう。
その株は、フキの収穫を早めに切り上げ、葉を大きく育てて根株を大きく充実したものにしておきます。
根株の掘り上げは8〜9月におこない、できるだけ根をつけるように、大きく掘り上げ、芽が3つ以上つくように節を3節以上つけ、10〜15cmの長さに切り分けます。
根株がない場合は早めに園芸店に予約して良い苗を入手します。
ウイルスフリー株が一番良く、畑から掘り取る場合は、生育の良い株をよく選んで決めましょう。
畑の準備は植えつけの2週間くらい前に元肥を施しましょう。
深さ7〜8cmの溝を掘り、元肥を入れて土を4〜5cmかけ、植え溝を作ります。
元肥の量は溝の長さ1m当たり堆肥をたっぷり、油かすを1握りです。
植えつけは地下茎をクワ幅の溝面に水平に並べて植えます。
植えた後、厚さ3〜4cmに覆土します。厚くかけすぎないようにしましょう。
防乾・防暑のために敷きワラをしておきましょう。
追肥・日よけ・収穫
夏〜秋までの間に3〜4回、油かすと化成肥料を畝の両側にばらまき、クワで土にすき込みます。
油かすは大さじ3〜4杯、化成肥料大さじ2杯です。
夏に入ったら敷きワラを追加し、乾きが激しければ水やりを入念におこないましょう。
フキは前述した通り、木陰のやや湿気の多いところでよく育ちます。
トウモロコシ、ソルゴーなどの丈の高い作物を列状に植えて日陰を作りましょう。
木陰など半日陰の場所を選べば日よけの必要はありません。
収穫は5〜6月ごろ、葉柄が伸びてきたらかたくならないうちに順次切り取ります。
フキノトウの収穫は2月ごろ、開花しないうちにおこないます。
2年目頃から畑全体が混み合ってきたら、収穫前に所々間引き、間引いた株は別の畑に植え替えれば再び生長します。
フキノトウは早めに収穫します。10月ごろの葉も収穫できるが収穫しすぎないように留意して、根株をしっかりつくりあげることが大事です。
おわりに
フキは上述した通り、葉柄だけでなくフキノトウ(蕾)も利用できます。
フキノトウは葉よりも栄養豊富で、葉に比べておよそ8倍のβカロテン、2倍のカリウムを含んでいます。
宿根性なので一度植えておくと長年収穫し続けられるフキ、ぜひ一度育ててみてはいかがでしょうか。
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