ホームセンターなどに行くと様々な種類が売られていて、どれを選んだら良いか迷ってしまいます。
肥料は色々な分類の仕方がありますが、大まかには、①原料による分類、②形状による分類、③効き方による分類に分けられます。
この記事では、②形状による分類と③効き方による分類についてまとめています。
肥料を形状によって分類する
固形肥料と液体肥料
肥料は形状により固形か液体に分類されます。
化学肥料でも有機質肥料でも、そのほとんどは固形肥料で、大粒、中粒、小粒、粉末など、粒の大小によって、たくさんの種類があります。
液体の状態で用いる肥料のことを液体肥料(液肥)と呼びます。
原液や粉末状のものを水で希釈したり、市販されているそのままの濃度で使うものもあります。
一般的には、化学肥料を原料として作られていますが、なかには有機質の材料を使った商品も販売されています。
また、液体肥料の一種で、肥料成分を根からではなく、葉から吸収させる葉面散布材もあります。
肥料成分の吸収や移行は物質によって差がありますが、チッ素や微量要素などは根よりも葉面の方が吸収されやすいので、
不足する成分を補う手段としての効果が期待できます。
形状によって肥料の効き方が異なる
固形肥料は、土の中で溶けるまで時間がかかるので肥やけしにくく、肥ぎれもしにくいことが特徴です。
効き方は遅めですが長時間持続しますから、元肥にも追肥にも使えます。
固形肥料は大粒であるほど肥料の効果は遅く(緩効性)、肥料が効く期間は長く持ちます。
その逆に、粒が細かくなるにつれ、肥料効果は早く出ますが、肥料が効く期間は短くなります。
液肥は、速効性はありますが、液体のため、土からすぐに流れ出てしまいます。
肥ぎれしやすいので元肥には向いていませんが、水やりを兼ねた追肥に便利です。
肥料を効き方によって分類する
与えられた肥料がどれくらいの時間で効いてくるのか、その効き方によって「速効性肥料」「緩効性肥料」「遅行性肥料」の3つに分類することができます。
速効性肥料の使い方
速効性肥料には硝安、硫安、塩安、尿素などの単肥や、化成肥料があります。
これらの化学肥料は、肥料効果としてはすぐ効き、すぐ切れるのが特徴です。
元肥、追肥のどちらにも向きますが、一度に多く耕すと肥やけを起こしやすく、
また、土の中に残った肥料分が流れ出て無駄になってしまうので、その時々に適正な量を施すようにします。
緩効性肥料の使い方
緩効性肥料は少しずつ溶け出して肥料濃度を急激に高めることなく、じっくりと効果が持続します。
その期間は種類によって色々ありますが、おおよそ1〜2ヶ月です。
ですから、作物の生育期間にあった緩効性肥料を元肥に使えば、
追肥なしに肥ぎれも肥やけも育てることもできます。
しかし、追肥をせずに全てを元肥のみでまかなう場合、溶け出した方は天候や水やりの仕方で変動し、
作物の欲しい時に、必ずしもちょうどよく溶け出してくれるとは限らないという問題も出てきます。
必要な時に不足したり、必要でない時に効いてきたりすることがあり、特に生育初期には効き目が悪く、不足することが多いようです。
そうした問題をクリアする意味で、緩効性肥料は元肥をベース肥料として必要量の50〜70%ほど施した上で、
速効性の化学肥料を補ったり、生育を見て化成肥料や液肥で肥料成分の不足分を追肥したりしていく方が無難です。
また、作付けの2〜3週間前に施しておけば効果も早まります。
遅効性肥料の使い方
有機質肥料の大部分が遅効性肥料のタイプです。
土の中の微生物が有機物を分解することによって肥料としての効果が出てくるためです。
土の温度によって効果の出方が大きく異なり、25℃以上では緩効性肥料と同じような効果を示します。
しかし、10℃以下では効果の出方が遅くなるので、果樹や庭木のように、冬に生育が緩やかになる作物の「寒肥(かんぴ)」や「お礼肥え(おれいごえ)」として、温度の低い時期に使います。
肥料改良による効果の現れ方に注意
本来、有機質肥料はほとんどが遅効性・緩効性で、化学肥料は速効性です。
しかし、近年では化学肥料でもゆっくりと効く「IB化成」など、緩効性に加工されたものも多く出回っています。
有機質肥料でも発酵油かすやボカシ肥など、速効性を持つ肥料があります。
また、有機質肥料と化学肥料を混ぜ合わせた配合肥料も多種ありますから、混ぜられている肥料とその含有量を必ずチェックするようにしましょう。
おわりに
肥料に効き方は肥料袋を見ればある程度確認できます。
というのも、肥料の種類や成分含量、業者名、生産年月日などは肥料袋に記載することが法律で義務付けられているからです。
効き方の速さについても表示されています。
(速効性など)例えば、成分含量「15-15-15」と記載されていれば、チッ素、リン酸、カリがそれぞれ15%含まれていますので、
1袋が20kgでしたら、その肥料袋の中の三要素は、それぞれ3kgということになります。