1.症状と被害
葉の表面に、オレンジや黄色、赤、白や黒の褐色したさまざまな色の小さな楕円形の斑点が現れます。
病斑を触るとやや盛り上がった粒状になっており、葉の裏側は、毛糸のような房状の物質が出ています。
植物は被害が著しいと成長が悪くなり、早期に落葉してしまいます。
ネギの場合は、春まき栽培では秋から、秋まき栽培では翌春から被害が出ます。
キクでは被害の大きい病気の一つで、黄白色の斑点が葉に広がるので、キク白さび病と呼ばれます。
斑点を葉の裏面から見るとイボ状の白いカビがあります。
クロマツヤエンジュでは幹や枝にコブをつくります。
ウメでは、花きが葉状の奇形になり、さび色になります。
春と秋、低温で雨が多い時期に発生します。
2.さび病にかかりやすい野菜・植物一覧
ネギの仲間全般に出る、カビが原因の病気です。
エンジュ、カーネーション、キク、キンモクセイ、クロマツ、ツツジ類、ネギ、フジ、ブドウ、ベニバナ、ミツバ、玉ねぎ、人参、ラッキョウ、ニラ、アサツキ、ワケギなど
3.原因と伝染経路
飛んできた胞子がネギ類などの野菜・植物について感染します。
潜伏期間は約10日で、畝の過湿や過乾、ネギの場合は土寄せで根が切れたときなど、株自体が弱っていると病気が出やすくなります。
植物の表面にできる胞子が鉄サビのように褐色の粉状であることから命名されました。
しかし、胞子の色は黒、褐色、淡黄色、白色など様々です。
なお、伝染源となる胞子の発芽適温は9〜18℃と低めです。
そのため、夏の高温期には発生が少なくなりますが、秋になって涼しくなると胞子が飛んで病気が次々に広がります。
また、春に出るサビ病は、冬を越した胞子が伝染源となります。
サビ病菌には、同じ種類の植物間を伝染するタイプと、違う植物の間を行き交うタイプの2つがあります。
後者である病原菌では、マツ類とナラ類の間を行き来し、マツ類ではコブ病を、ナラ類では毛さび病を引き起こします。
また、別の病原菌はナシ類とビャクシンの間を行き来し、それぞれ赤星病とサビ病の原因となるなど、周囲の配慮が必要です。
4.防除・対策
株が弱ると病気が出ます。
水はけをよくし、多肥や肥料不足に注意して、適切な栽培管理を行ってください。
「干しネギ栽培」はさび病予防に有効です。高温期にも根張りがよくなり、耐病性が誘導されます。
5.治療方法【薬剤・農薬】
発病したら
発病した葉をちぎって、土に埋めるなどして処分します。
あとから綺麗な葉が出てきて収穫できますから、株ごと抜いて処分する必要はありません。
異なる植物間を病原菌が行き来している場合は、両方の植物を除去します。
効果のある薬剤・農薬
時期を逃すと薬剤散布での効果はありません。
草花・観葉植物全般、時ハーブ・野菜類全般はカリグリーンを、バラ、キク、カーネーションにはエムダイファー水和剤を、ネギ類、芝にはサプロール乳剤を、葉の裏側まで散布します。
おわりに
この記事では、サビ病の原因と防除方法について紹介しました。
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